オークション分析とは?5種類の数値が示す運用状況が変わるヒント
リスティング広告を運用し始めると、日々の運用状況を細かくチェックする日々が続きます。その中でコストやCPA、コンバージョン数といった指標の変動に、何が関与するのかが気になるときがあると思います。
「自分の広告はどのぐらいの表示機会があるのだろうか?」
「どうして急にCPCが高くなったんだろう?」
「競合と比べて、自社の広告はどう運用できているのだろう?」
実はこういった疑問は、オークション分析機能を駆使することで考察をすることができるのです。そこで今回は、オークション分析で確認できる数値とその見方、そして競合他社の広告との関連性について、お話していきます。
目次
1.オークション分析とは
オークション分析とは、広告がオークションに参加している際の掲載状況を数値として表してくれる、Google広告の機能です。自社の広告はもちろん、競合の広告がGoogle検索結果ページでどのように表示されているかを知ることができる便利なツールです。オークション分析で得られる情報に、以下のようなものがあります。
・どのぐらいの頻度で、広告はユーザーに表示されているのか
・競合他社はどこなのか
・自社と競合の広告は、どのぐらい頻繁に同時に表示されるのか
これらの情報を見ていくことで、自社や競合他社の広告の掲載率を確認し、日々の運用に影響している可能性がある理由を探ることが出来ます。
2.オークション分析で読み取れるドメイン+5つの数値
オークション分析で確認できる情報にはドメインと、5種類の数値があります。それぞれの情報が何を教えてくれるのかを見ていきましょう。
表示URLドメイン
表示URLドメインは文字通り、広告主のドメインを確認することができます。これらのドメインを持つ他社が参加オークションにおける競合となりますので、しっかりと頭に入れておきましょう。
数値① インプレッションシェア
インプレッションシェアというのは、広告が実際に表示された割合です。広告を表示させられる可能性があった全ての機会の中で、実際に広告が表示された頻度がパーセンテージで表現されています。パーセンテージが大きいほど、広告の表示された回数が多かったという事になります。
数値② 重複率
競合広告が、自社広告と一緒に表示された割合は、重複率として確認できます。競合には重複率が高いところや低いところ、自社とほぼ同じところなど様々です。例えば、他社と自社の重複率が30%であれば、10回のうち3回は、自分と競合の広告が一緒に検索結果画面に映ったということがわかります。
数値③ 上位掲載率
Googleの検索結果ページにて、競合広告が自社のものよりも上に掲載された場合は、その割合が上位掲載率として表されます。検索結果の上位に表示されるということは、それだけユーザーにとって広告が目立つので、重要な競合相手となります。どのぐらい上の位置に広告が表示されるかは、広告ランクによって決まります。
数値④ ページ上部表示率
こちらの数値は競合ではなく、自社の広告が自然検索の結果よりも上に表示された頻度を示したものです。自然検索結果欄の上に表示される広告の数は最大4つで、そのうちの1つが自社の広告であった場合、「ページ上部に表示された」ということになります。
数値⑤ ページ最上部表示率
このパーセンテージは、自然検索結果欄の上に表示される4つの広告のうち、一番上に表示された広告が自社のものであった場合を示します。「ページ上部表示率」と似ていますが、全く別の数値なので注意しましょう。
3.ドメイン+5つの数値から考察できること
上記にて説明したドメインと数値には、広告運用を行っていくにつれて起こるインプレッションやCPCなどといった指標に変化が現れるヒントが隠されています。一体どの数値が何を教えてくれるのか、それについてもう少し詳しく見てみましょう。
① 競合他社について
「表示URLドメイン」で確認できる自社や競合の「〇〇.com」「○○.jp」といったドメインですが、自社以外にも数々の競合のドメインを見ると思います。その中で、以下のような疑問を抱くと思います。
「あれ?この間表示されていたドメインがない」
「これは見覚えのないドメインだけど、なぜ突然表示されたのだろう?」
これは純粋に、表示が消えたドメインは広告の配信が停止され、新しく表示されたものは、オークションに新しく参加した競合だということを示します。競争相手が増えるということはそれだけ競争も激しくなります。
また、オークションに参加している広告が多ければ多いほど、同じキーワードに入札している広告が多いので、その分CPCも高くなります。
② インプレッションシェアについて
インプレッションシェアが比較的高いと、広告のパフォーマンスは良いと言えます。競合のインプレッションが高いという事は広告の表示回数が多いので、競合が自社よりも入札価格を高く設定している可能性があります。
インプレッションシェアが低いと当然、広告の配信量が減り、コストがちゃんと消化できない理由になります。これでは競合にコンバージョンのチャンスを奪われてしまうので、入札価格を高めるなどを行うと良いでしょう。
③ 重複率について
競合と自社の広告が一緒に表示される頻度が多ければ多いほど、検索をしているユーザーにとっても商品やサービスの検討の比較対象が増えるので、顧客の流入が左右されます。
④ 上位掲載率・ページ上部表示率・ページ最上部表示率について
これら3つの数値が優れていると、ユーザーの目にとどまりやすい広告になっているということが推測できます。もちろん、これらの数値が高いとそれだけ広告のパフォーマンスが良く、自社よりも顧客の流入を得られている可能性が高まるので、同時にコンバージョン数も高くなる傾向があります。
広告のパフォーマンスの良さには広告ランクが関わってくるので、効果改善を実行する際は広告ランクを高めることが重要になります。掲載順位を決定づける広告ランクは、以下の2つの要素でGoogleによって判断されます。
1. 広告の品質スコア
2. 入札価格
そのため、広告ランクを改善する場合は入札価格の設定はもちろん、品質スコアを左右する以下の3つの点に改善の余地があるかを検討する必要性が出ます。
1. 広告の推定クリック率
2. 広告と検索内容の関連性
3. ランディングページの品質 (見やすさ、使いやすさなど)
⇒広告とランディングページの改善について知りたい方はこちら
広告とランディングページの相互ブラッシュアップの考え方
4.オークション分析の数値を読み取るうえでの注意点
重複率やページ上部表示率といった数値を確認していくと、日々の運用でどうして特定の指標に変化が訪れたのか見当がつくと思います。自社の広告運用状況や競合について理解を深められるので良いことではありますが、その反面、以下のような勘違いをしないという注意が必要です。
① インプレッションシェアを上げることだけに集中すればよい
オークション分析を見て真っ先に目に留まるのがインプレッションシェアだという方は多いと思います。しかし、インプレッションシェアを上げるだけで広告の効果は改善されません。
重要なのは、インプレッションシェアを高めるという事がクリック率、そして最終的にコンバージョンを増やすことに繋がるかどうかです。コンバージョンに改善が見られないと、コストをかけてインプレッションを増やしても意味がありませんし、費用対効果も悪くなってしまいます。広告の表示機会を高めるときは、明確にコンバージョンを伸ばして顧客の流入を目指すという目標を持ちましょう。
② 入札価格を高めるので、クリエイティブの改善はしなくてよい
コンバージョンを増やすという目標のもとでインプレッションを増やすのは良いですが、かといって入札価格を高めるだけでは広告の効果が改善されるとは限りません。すでに説明したように、自社広告が他社のものに勝るにはクリエイティブ要素の改善も重要になります。
インプレッションシェアが高い競合は広告の効果も良いと考えられるため、そのような競合がどのような文章や言葉遣いを用いているか、広告の見出し文や説明文を研究し、自社のものに取り入れて改善してみることができます。入札価格を上げるだけにこだわらず、広告文で勝負をすることを忘れないでおきましょう。
⇒広告文の作成について知りたい方はこちら
リスティング広告の広告文を最適化していくために必要なこと
上記の2つ以外にも、広告改善においてターゲットの見直しやキーワード選定、業界のビジネスモデルを振り返り、理解を深めることが大切になります。広告の運用状況によって効果の改善策は変わるので、状況に応じた施策を行いましょう。
5.まとめ
いかがでしたか?自社の広告の運用状況を確認するだけでは、
「コストを上げたのに、配信量がなかなか伸びない」
「広告自体は良いものに仕上がったのに、コンバージョン数の改善ができない」
といった出来事には、競合の動きが影響している場合があります。
オークション分析とは、そういった出来事が起こる理由について考察する機会を与えてくれる頼もしいものです。日々、分析を確認していくことで自社のパフォーマンスのみならず、オークション状況について理解を深めていくことが出来ます。
とはいえ、広告の改善というのは時間がかかるので、改善法も運用状況によって変わってきます。広告の効果を上げる策でお悩みの際は、ぜひ弊社にご相談ください。
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