リスティング広告のアカウント構成について
家を建てるときに設計図があるように、広告を配信するときにも設計図があります。その設計図が広告のアカウント構成となります。今回はリスティング広告のアカウント構成について解説していきます。
目次
1.アカウント構成とは
アカウント構成とは、広告配信により商品を購入してもらう・商品の認知度を上げるなど、目的達成に向けて配信をするための
構成を表す設計図です。その目的を達成するために広告をどう配信していくのか考え、設計する必要があります。
リスティング広告のアカウント構成は
◆キャンペーン
◆広告グループ
◆キーワード
◆広告
の4つで構成されています。
重要なのは商品に興味関心のあるユーザーに対し、広告を配信できるように構成を考えることです。
そのことを逆算してリスティング広告のアカウント構成を考えていきましょう。
今回は、コーヒースクールの申込者を募集するために広告を配信する仮定でアカウント構成について
解説していきたいと思います。
2.アカウント構成を考える際のポイント
リスティング広告のアカウント構成を考える際、
「始める段階ですべてルール決めをしておく」ことがポイントです。このルール決めをしておくことで、その後の広告運用がしやすくなります。興味関心のあるユーザーが関連するキーワードを検索し、広告を見つけ、ランディングページ(LP)に遷移しコンバージョンに至るまでの過程を細かく想定し逆算することが重要です。
何をどう検証するかを事前に決めておくことで、後の広告運用が容易になります。今回の場合、コーヒースクールの申し込みをしてもらうことがゴールなので、どんな人が申し込んでくれるのかを検証できるようにアカウント構成のルール決めをしていきましょう。
例)
■商品ごとにキャンペーンを分ける
⇒商品のどんな特徴にユーザーが興味や関心を持ったのか検証したい場合(価格や商品の内容など)
■エリアごとに広告グループを分ける
⇒どのエリアのユーザーからの反応がいいのかを検証したい場合(住んでいる場所など)
このように、始めからルール決めをしておくとで検証や配信の調整がしやすくなり、的確にその先の改善策を考案することができます。
3.3つの階層の役割
リスティング広告は
◆キャンペーン
◆広告グループ
◆キーワード/広告
上記、3階層で構成されています。これらの役割を理解しアカウント構成を設計できると広告運用もしやすくなります。
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キャンペーン単位でできる設定
キャンペーン単位で設定できる項目は、広告予算・配信エリア・配信期間・デバイスです。アカウント構成では、
■ターゲットは誰なのか(居住地、年齢、性別など)
■配信期間はどれくらいか
■どのくらいの予算で広告を配信するのか
■どのデバイスで配信するのか(PC・スマートフォン・タブレット)
上記の通り、誰をターゲットにどのくらいの予算でどの商品の広告を配信するかを決める必要があります。
では、コーヒースクールを例に考えてみましょう。コーヒースクールには、期間限定のオフラインコース(東京で受講できる対面式のコース)と無期限で行われるオンラインコース(ビデオチャットで受講ができるコース)のコースがあるとします。オフラインコースは東京のみの開催なので、その周辺も含めた関東の配信に絞り、該当するエリアに住むターゲットへ期間を決めて配信をすることができれば、確度の高いユーザーに効率的にアプローチをすることができます。また、オンラインコースはビデオチャットでの受講になるので、全国各地より参加が可能です。配信エリアを全国に設定し、無期限なので終了日を設定せずに、配信をすることで申込をする可能性のある、多くのユーザーにアプローチをすることができます。このように、商品の内容に合わせてターゲットや期間を設定する必要があるので、キャンペーンを、オフラインスクールのキャンペーンとオンラインスクールのキャンペーン2つ作成した方が効率よく広告を配信することができます。
また、ユーザーがブランドや商品の認知をしているか・していないかによって広告運用の仕方が変わります。その場合、以下のようにキャンペーン分けをすることをお勧めします。
A.ブランド名
B.一般ワード
大きく分けて2種類に分けられ、どんなユーザーがいるのかでキャンペーンの分け方が変わります。
A.ブランド名で検索するユーザーは既にそのコーヒースクールを知っているユーザー
B.一般ワードで検索するユーザーはコーヒーの淹れ方に関心のあるユーザー
上記のように分けるのには理由があります。ブランド名を知っているユーザーは、そのブランドに興味があり検索をしているので、購買意欲が高くコンバージョンに繋がりやすい傾向にあります。よって一般ワードで検索するユーザーよりもCPAが低くなる傾向にあるので、ブランド名と一般ワードを分けたほうが適切に調整していくことができます。
キャンペーンを分ける際は、商品の特徴を理解し、ターゲットとするユーザーの年齢・性別、どのエリアに住んでいるかなど具体的にイメージをしておきましょう。
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広告グループ単位でできる設定
広告グループ単位で設定できる項目は、入札単価・入札方法です。広告ごとに分類し、配信調整を行えます。また、キャンペーンの中にさらにグループ分けをして、より確度の高いターゲットへアプローチをすることができます。コーヒースクールのコースの種類が初級者向けコース・中級者向けコース・上級者向けコースと3つのコースがあるとします。初級者向けコースの申込者を増やしたいという目的があり、他のコースより広告の配信を強化したい場合に、広告のグループを3つに分けておくことで、入札単価の調整ができるので配信に強弱をつけることが可能です。この調整が行えるように、キャンペーンの中に初心者向け、中級者向け、上級者向けコースの3つの広告グループを作っておきましょう。
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キーワード単位でできる設定
キーワード単位で設定できる項目は、入札単価とマッチタイプです。
今回、広告を配信する目的はコーヒースクールの申込をしてもらうことなので、[コーヒースクール]と検索しているユーザーが確度の高いユーザーと言えます。キーワードごとに入札単価を調節できるので、最も関連のあるキーワード(ここでは[コーヒースクール])の入札単価を上げることで、設定したキーワードで検索しているユーザー(申し込みをする可能性が高いユーザー)に広告を上位表示させることが可能です。どのキーワードで検索しているユーザーに広告を配信したいかにより、入札単価をいくらに設定するのかをキーワードごとに考える必要があります。
キーワード単位で設定できる項目は入札単価だけではなく、マッチタイプも設定できます。
マッチタイプには
▼完全一致
設定したキーワードとユーザーが検索したキーワードが、完全一致した場合に表示されます。
▼フレーズ一致
設定したキーワードとユーザーが検索したキーワードが、同じ語順である場合に広告が表示されます。
▼部分一致
設定したキーワードとユーザーが検索したキーワードが、類似しているキーワード・関連しているキーワードに当てはまると表示されます。
があります。キーワードのマッチタイプについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をお勧めします。
[コーヒースクール]が商品なので、このキーワードのマッチタイプは完全一致で設定をしましょう。しかし、マッチタイプを完全一致のみに設定してしまうと、限られたユーザーにしか広告配信ができないので、より多くのユーザーに配信ができるように、他のマッチタイプ(フレーズ一致・部分一致)でも設定をしましょう。また、顕在層にいるユーザーにもアプローチをするために、関連するキーワードをいくつか設定しましょう。まだコーヒースクールの申込は検討していないけど、コーヒーに興味があるユーザー、コーヒースクールを受講したくなるかもしれないユーザーに向けて、それらのユーザーがどんなキーワードで検索するかを考えましょう。
例)
興味低:コーヒー おすすめ
興味中:コーヒー豆 淹れ方 違い
興味高:バリスタ スクール など
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広告単位でできる設定
広告単位で設定ができる項目は、広告文と遷移先URLです。
広告文では商品の魅力を伝えられるようなタイトルと説明文を考案しましょう。その内容には上記で説明したキーワードを広告文に盛り込むことで広告品質が高くなり、より広告が表示されやすくなります。キーワードと関連性のある広告文を設定し、表示されやすい広告の配信を目指し、クリックされる機会を増やしていきましょう。また、広告単位で、遷移先のURLを設定することができるので、広告文ごとに異なるURLを設定することができます。その際には広告文と遷移先URLのランディングページに含まれる内容が一致するように広告文を考えていきましょう。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はリスティング広告のアカウント構成について解説しまとめました。
・何を検証したいのか始めにルール決めをしておく
・キャンペーン/広告グループ/キーワード・広告の役割を理解する
・関連性の高い広告文とキーワードを設定し品質スコアをあげる
上記のことを踏まえ、リスティング広告のアカウント構成を考えましょう。
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