広告とランディングページの相互ブラッシュアップの考え方

2020.2.14
サイト分析改善

WEBの広告運用と切っても切り離せない関係にあるランディングページ。広告の受け皿となるランディングページは、広告と同じで継続的な改善が必要不可欠です。

 

当たり前ですが、広告で連れてきたユーザーに対して、どのようなコミュニケーションを行うかによって、その広告の効果が決定します。

 

そのため、広告とランディングページの相性が良ければ、成果も高くなります。

 

しかし一般的に、ランディングページの制作と広告運用をまったく別の会社が運用していたり、たとえ窓口が1つだったとしても、実はどちらかは下請けの関係であったりと、連携した改善が行われていないことも多くなっています。

 

その場合、広告運用は広告運用会社で、ランディングページ改善はランディングページの制作会社で別々に改善を行うことが多く、それぞれのデータや傾向が、お互いの改善に生かされることはありません。

 

これではお互いの改善が足し算的に組み合わされることはあっても、掛け算的に組み合わされることはなく、100%の成果を期待することはできません。

 

 

そのため、広告とランディングページの改善を一貫して行うことが望ましいのですが、そのような経験のある会社が少ないことも事実です。

 

そこで、本記事では、広告とランディングページの改善を一気通貫で行っている弊社が、成果改善の現場でどのような施策を行っているのか、その考え方の一部をご紹介します。

 

1.<広告/ランディングページ運用時に入手すべきデータ>

広告運用時にも、ランディングページの運用時にも、様々なデータを抽出することになりますが、ここでは、相互ブラッシュアップにおいて、特に活用しやすいデータをいくつかご紹介します。

 

(広告側のデータ例)

A.キーワード別の成果データ

 

→こちらは文字通り、事前に設定したキーワードの中で、「どのキーワードが獲得効率が高いのか」「どのキーワードが足を引っ張っているのか」を図るデータです。

 

同じカテゴリー属性のユーザーであっても、検索しているキーワードによって成果への貢献度が異なるため、必須級のデータとなります。

 

B.広告文別の成果データ

 

→こちらも出稿している広告文において、どの広告文の反応が良く、どの広告文が獲得に至っているか/いないのかを判別するためのデータとなります。

 

一般的に、広告文はいくつかのパターンを同時に運用することが多いため、どのような打ち出しがコンバージョンの獲得に効果的なのかを把握することができます。

 

 

(ランディングページ側のデータ例)

A.アテンションヒートマップ

 

→ページに訪問したユーザーが、実際にページのどこを見ているのかをサーモグラフィーのように表現したデータです。

 

ユーザーが注目している箇所が赤白く、逆に注目していない箇所を青黒く表示させることで、ページ上のユーザーの動きが手に取るようにわかります。

 

特に、複数の訴求コンテンツが並び、縦長になりやすいランディングページにおいては、必要不可欠なデータとなります。

 

B.CTA別CVR

 

→あまり聞き馴染みのないワードかもしれませんが、弊社がランディングページの分析・改善を行う際には、かなり重要度の高いデータとして必ずといって良いほど抽出しているデータになります。

 

高度な設定が必要であり、かつ、ツールや環境によって、そもそもデータが取得できない場合もあるため、工夫が必要ではあるものの、成果に直結するデータが取得できます。

 

データの役割としては、ページ内に複数設置しているコンバージョンエリア(CTA)において、それぞれの獲得貢献度を抽出することで、その直前に配置しているコンテンツの有用性を図ることができます。

 

<広告データをランディングページに反映する施策案>

ここでは、先にご紹介した以下のデータをランディングページの改善に活用する方法をご紹介します。

 

A.キーワード別の成果データ

B.広告文別の成果データ

 

(A.キーワード別の成果データ)

 

広告側の調整としては、獲得効率の良いキーワードの配信を強め、効率の悪いキーワードの配信を抑制/停止を行うことになると思いますが、それをランディングページ側でさらに効果をブーストさせる方法として、

 

・獲得効率の良いキーワードをランディングページに散りばめる

 

という方法があります。

 

この方法の狙いとしては大きく分けて2つあり、

 

・該当キーワードの広告ランクの上昇

・訪問ユーザーのニーズとの親和性向上

 

に好影響を与えられると考えられます。

 

広告ランクが上昇することで、獲得効率の高いキーワードを、より低いクリック単価でページに誘導することが可能となります。

 

また、その連れて来たユーザーニーズに応えるページ内容に近づけることで、コンバージョンに至る率の改善が期待できます。

 

 

(B.広告文別の成果データ)

 

広告文の傾向を活用する方法としてご紹介するのは以下の手法です。

・獲得効率の高い広告文の訴求内容をランディングページに追加、または強調する

 

基本的には、キーワード別の成果データの施策と同じような考え方となりますが、「反応率の高い広告文(訴求)=ユーザーが求めている情報」という仮説が成り立ちます。

 

そこで、その広告文に即した情報をランディングページ上で訴求・紹介することで、ユーザーニーズにマッチした訴求内容へブラッシュアップでき、ランディングページのコンバージョン率の改善に貢献することができます。

 

 

また、すでに訴求内容がランディングページ上にある場合には、それをより強調することで、視認性を上げ、より直感的な情報伝達を行うことも可能です。

 

 

<ランディングページのデータを広告に反映する施策案>

 

続いては、ランディングページのデータ分析によって見えた傾向を広告側に反映する施策例をご紹介します。

 

ここでも、先述した以下のデータをもとにご紹介します。

 

A.アテンションヒートマップ

B.CTA別CVR

 

(A.アテンションヒートマップ)

 

アテンションヒートマップでは、ユーザーがページ上のどの情報を読み込んでいるのかを可視化することができます。

 

そのため、「アテンション(注目度)が高い=ユーザーの関心度の高い」という仮説が成り立ちます。

 

この仮説をもとに有用だと考えられるのが、以下の施策例です。

 

・注目度の高いコンテンツに関連した広告文を追加する

 

たとえば、料金に関するコンテンツの注目度が高ければ、その商材では、価格面を気にするユーザーが多いということが言えるため、「業界最安!」などの訴求を広告文に入れることで、より多くのユーザーをランディングページに誘導することができるかもしれません。

 

 

(B.CTA別CVR

 

アテンションヒートマップと考え方は近いですが、コンバージョンに貢献しているコンテンツを知ることで実施できる施策案としては、以下が考えられます。

 

・注目度の高いコンテンツに関連したキーワードの配信を強める

 

弊社を例にさせていただくと、弊社のターゲットユーザーは、「広告運用とランディングページの改善を一気通貫で行って欲しい」と考えているユーザーです。

 

そのようなユーザーの多くは、「広告 x ランディングページ改善 x 会社」や「広告 x ランディングページ改善 x 業者」などで検索を行うことが想定されます。

 

そのうえで、「事例コンテンツ」のコンバージョン貢献度が高いことがわかったとします。

 

この場合のユーザーニーズの仮説として、「自社の業種/業界に近しい成功事例があるかを探しているのではないか」ということが考えられます。

 

そのため、上記の検索例以外にも、「広告 x ランディングページ改善 x 化粧品」や「広告 x ランディングページ改善 x 保険」などといった、業種/業界をセグメントするキーワードで検索を行っていると仮説立てることができ、そのキーワードの配信を強化することで、一定の成果が期待できるかもしれません。

 

 

<まとめ>

いかがでしたでしょうか。これまでにご紹介した通り、

 

・広告の効率を高めるための手法としてのランディングページ改善(LPO)

・ランディングページの効率を高めるための広告改善

 

この両軸での継続的な改善が、他の競合企業では実現できないスピードでWEB広告の成長を導くことができます。

 

また、今回ご紹介したのはあくまでも一例であり、弊社が実際にWEB広告の改善を行う際には、上記以外にも数多くの改善施策を実施しますが、それぞれの状況に適切な改善施策を選択できなければ、かえって状況が悪化してしまうこともあります。

 

そのため、改善案を提示する側はもちろん、改善施策を決定する側も、高いマーケット意識を持って、最適解を導くことが重要です。

 

ランディングページや広告の改善でお困りごとがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。