運用型広告の広告費はいくらかければいいの?

2019.9.17
広告運用

近年、成長し続けているインターネット広告ですが、その広告費の中でも8割以上を占めいているのが

検索連動型広告(リスティング広告)やディスプレイ広告といった運用型広告になります。

運用型広告を始めたいと思って、やはり気になるのがその予算ではないでしょうか。

 

「運用型広告に予算をどれくらいかければよいか分からない・・・」

「リスティング広告って予算1万円からでもできるって本当?」

「リスティング、ディスプレイ、SNS広告、全部やりたいけど予算が・・・」

 

なんて悩まれている方も多いかと思います。

実際、お問い合わせをいただく中で多いのが、この予算に関する相談です。

運用型広告を始めてみたいけど・・・と悩まれている方は是非参考にしてみてください。

 

1.2つのタイプのインターネット広告:純広告と運用型広告

運用型広告の広告費を決める前に、ぜひ知っておいていただきたいのが

 

「運用型広告とはどのような広告なのか」

 

ということです。

実際、インターネット広告=純広告?と間違って理解されている方も多くいらっしゃいますので、

ここはしっかりと抑えておきたいところです。

 

インターネット広告は、大きく《純広告》と呼ばれるタイプの広告と《運用型広告》と呼ばれるタイプの広告に大別することが出来ます。

 

・純広告とは

純広告とは、《純広》と呼ばれたりもしていますが、

広告枠をある期間で買切るタイプの広告で、

一般的にイメージされる新聞広告や看板広告と同じ仕組みです。

 

「この広告枠に広告を掲載するのに○○円です。」

 

というタイプの広告です。インターネット広告の純広告もこれと同じ仕組みで、あるメディアの広告枠で一定期間もしくは一定の表示回数の掲載が保障されているタイプの広告になります。

最も有名な純広告では、Yahoo!のトップ画面に掲載されている「ブランドパネル」というものがあげられます。

 

Yahoo!ブラパネのイメージ図

 

・運用型広告とは

もう一つの、《運用型広告》はリスティング広告やディスプレイ広告に代表されるタイプの広告になります。

《運用型広告》では、広告の掲載を保障することはできません。運用型広告では、広告枠がサーバーに読み込まれるたびに掲載する広告をオークションで決めています。同じサイトの同じ広告枠であったとしても、毎回、同じ広告が表示されるわけではありません。そのため、広告を表示させるためにはオークションへの入札単価などを調整する必要があります。広告を掲載するために日々の調整作業が必要になるため「運用型」と呼ばれています。

運用型広告では、純広告とは異なり、表示回数やクリック数を予め決めて配信することが出来ません。

その為、毎日・毎月の広告費用に関しても常に一定とはならないので、ぜひ覚えておいてください。

 

2.運用型広告の予算に関するよくある誤解

運用型広告の費用に関して、下記のような誤解が良くあります。

 

・毎月の消化金額が固定

・予算をかければ必ず消化することが出来る

・最低出稿金額が固定でないから月額1万円からでも始められる

 

運用型広告の予算に関しては、適正な予算を設定しないと、運用の効果を悪化させることにもなりかねません。それでは予算に関する誤解に関して少し細かく見ていきたいと思います。

 

・毎月の消化金額が固定

運用型広告は、広告枠を買切るタイプの純広告とは異なり、月額の広告費用が一定ではありません。リスティング広告やディスプレイ広告をはじめとする運用型広告の多くは、クリック課金制という課金制度が用いられており、広告がクリックされるたびに広告費用が発生します。つまり、広告が表示されたとしてもクリックされなければ費用は発生しません。

一日のうちにどのくらいのユーザーが広告を目にして、広告をクリックするのかということはあらかじめ予測することはできません。1日のうちに100回クリックされる日もあれば、50回しかクリックされないという日もあるでしょう。このようにユーザーの「気まぐれな」クリックにより費用の発生が左右されてしまうので、運用型広告の広告費用は毎日が同じ金額にはなりません。

 

※ディスプレイ広告にはインプレッション課金制もあり、インプレッション1000回分の金額で費用が発生するものもあります。

 

・予算をかければ必ず消化することが出来る

上記にあるように、運用型広告では広告費用の発生が変動しますが、予算を上回ってしまうということばかりではありません。運用型広告では、逆に設定した予算が多すぎて消化できないというケースも起こり得ます。

例えば、リスティング広告の場合、ユーザーがキーワードを検索することにより初めて広告を表示することが出来ます。その為、ユーザーの検索数が少ない「ニッチなキーワード」やまだ知られていないような「新しいキーワード」では広告を表示することが出来ず、あらかじめ設定した予算を消化しない場合があります。

また、ディスプレイ広告のリターゲティングなど、配信対象のユーザーを限定してターゲティングしている場合、そもそもの対象となるユーザーが少ないと広告の表示機会を十分に確保することが出来ず、同様に予算を消化できない場合があります。

 

このような場合、予算消化を優先してしまい、無理に配信量を増やそうとすると、配信の効果を悪化させてしまうことになりますので注意が必要です。

 

・最低出稿金額が固定でないから月額1万円からでも始められる

リスティング広告やディスプレイ広告では、最低出稿金額が設けられていないので、設定上は月額1万円からでも配信することは可能です。

(広告代理店を利用する場合は、広告代理店との契約により最低出稿金額が設定されている場合もあります。)

ただし、最低出稿金額がないからといって月額1万円で運用したところで、広告効果を得ることは難しいでしょう。

運用型広告では、広告を運用していく為にはデータを蓄積して判断していく必要があります。広告予算が極端に少ない場合、広告配信から得られる判断材料が少なくなってしまい、その後の調整に影響が出てしまいます。

 

 

上記の例は、少し極端な例ですが、仮に月100回のクリック分しか広告予算がないとすると、1日当たりのクリック数は約3回となってしまいます。これでは運用型広告で効果を出すのはほぼ不可能といえるでしょう。

実際に必要な予算は、業界のクリック単価の相場や競合他社の出稿状況により変わってきますので、広告代理店など相場観の分かる担当者に相談してみるとよいでしょう。

 

3.運用型広告を最適化していく為には

運用型広告を最適化していく為には、広告の運用データの蓄積をできるだけ大きくしておく必要があります。その為にはキャンペーンの予算をできるだけまとめておくことが望ましいといえるでしょう。

 

例えば、1か月の広告運用費を100万円に設定していた場合、1日あたりの運用費用は約3.3万円になります。広告のクリック単価が100円であれば、1日あたり330回程度のクリックを獲得することができます。

 

もし、1か月の広告運用費が30万円であれば、1日に獲得できるクリック数は100回まで減少してしまいます。

 

広告予算が少なくなればなるほど、1日に獲得できるクリック数の数は少なくなるので、その後の運用のための判断材料が少なくなってしまい、日々の広告運用を最適化していくことができなくなってしまいます。

 

・複数の広告媒体で配信する場合の注意

複数の広告媒体を配信したい場合も同様のことが言えます。広告予算を媒体間で分割してしまうと、1つの広告媒体での広告予算は当然ながら少なくなります。そのため、全体での広告予算は変わらなくても、1つ1つの広告媒体単位では予算が少なく、運用データの蓄積が遅くなり、判断が難しくなってしまいます。

その結果、その後の運用改善が全く進まないということにもなってしまいます。

 

複数の広告媒体を使って広告を配信したいと考える場合も、1つの広告媒体当りの予算が少なくなりすぎないよう注意が必要です。

 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

運用型広告を最適化していくためには適正な予算を設定しておく必要があります。広告予算が少なすぎると、1日当たりの配信量が少なくなってしまい、結果的に判断材料が乏しく、全く改善が進まないということにもなってしまいます。

かけられる広告予算が少ない場合、運用型広告の配信をすることでかえってマーケティング全体の効果を悪化させてしまうことがありますので、できるだけ適正な広告予算を確保できるようにしましょう。

 

とはいえ、適正な広告予算な広告予算についてわからないという場合は、一度、広告運用のプロにきいてみることをお勧めいたします。

運用型広告の運用にお悩みの際はお気軽にお問い合わせください。