広告文のABテストをする際に注意したいこと
リスティング広告の広告文において、ユーザーがクリックしたくなる広告が最初からわかれば、きっと広告運用者は苦労しないでしょう。伝えたい商品の魅力は1つとは限らないため、短い広告文の中で全ての魅力を詰め込んでアピールしたくなります。しかし、あらゆるアピールポイントを詰め込んで1つの広告文に纏めてしまうと、何の要素がユーザーの関心を引きつけたのかわからなくなってしまいます。それを検証するために行うのが、広告文のABテストです。ABテストを行うことで、ユーザーが商品に何を求めているのか発見することができます。今回はそのABテストを行う際の注意点やポイントをご紹介したいと思います。
目次
効果が良い広告文って?
広告文をABテストで検証をする際に、広告文の効果の良し悪しは何で判断できるの?と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
広告文の効果の良し悪しは、表示回数とクリック率で判断することができます。
表示回数が多い広告=広告ランクが高い(ユーザーが検索したキーワードとの
関連性が高い・推定クリック率が高い・ランディングページの 利便性)と判断できます。
クリック率が高い広告=ユーザーからの反応が良く、広告文の訴求内容が関心を引いていると判断できます。
リスティング広告の広告文についてもっと詳しく知りたい方はこれらの記事もお勧めします。
広告文の評価について何で判断するのか、もっと詳しく知りたい
⇒https://conversion-ad.jp/ad-operations/358/
効果の良い広告文を作成するコツについて、もっと詳しく知りたい
⇒https://conversion-ad.jp/ad-operations/1068/
ABテストをする際の注意点・ポイント
次に、広告文のABテストをする際の注意点やポイントをいくつか紹介します。冒頭でも述べたように、商品のアピールポイントを1つの広告文に纏めてしまうと何がユーザーの関心を引いているのか検証することはできません。ABテストの目的を明確に設定し、正確な検証が行えるように、注意点やポイントを紹介していきます。
今回は化粧水の広告配信を行うことを仮定して解説していきます。
◆注意点その1:訴求内容が被る
ABテストを行う際に、同じ訴求内容で配信をしてしまうと、ユーザーにとって何が関心を引いているのかがわかりません。ABテストの目的を見失わないように、あらかじめ異なる訴求内容をそれぞれの広告に設定しておきましょう。
例)広告文A 価格訴求「今だけ2本同時購入で50%オフ」
広告文B 効果訴求「敏感肌にも使えるエイジングケア」
化粧水を購入してもらうために上記の例のように広告文を2つ設定し、どの訴求がターゲットにとって魅力的な内容であるのかを検証します。価格の安さをアピールするのが効果的なのか、効能をアピールするのが効果的なのか、異なる訴求を広告文に設定することで、効果的な広告文を検証することができます。
◆注意点その2:配信期間がバラバラ・短い
ABテストを行う上で、配信期間を統一しなければ正確に検証を行えません。
例)広告文Aの配信期間 1月1日~1月7日(7日間)
広告文Bの配信期間 1月1日~1月20日(20日間)
配信期間が上記のように異なれば、当然のことですが、配信量に大きく差が出てしまい正確にABテストができなくなってしまいます。また、配信期間が短すぎると、十分な表示回数・クリックが出ず、効果の判断が難しくなってしまうため、ABテストを行う際は最低でも1週間ほど期間を設けましょう。
◆注意点その3:見出し・説明文の統一感がない
広告文は主に見出し1・2・3、説明文1・2で構成されています。ユーザーを引き付けるのは、見出し1・見出し2でそれらがクリックに大きく影響します。それぞれユーザーに与える影響力が異なるため(見出し3・説明文2はほぼ表示されません)、検証する部分を揃えることで正確な検証ができます。そのため、広告文のABテストをする際はどの部分で検証するのかを決めて統一しましょう。例えば、見出し1で検証を行う際は、見出し1の異なる内容を設定し、見出し2の内容は揃えましょう。
≪悪い例≫(※今回は見出し3・説明文2はほぼ表示されないため省いています)
広告文A
見出し1「今だけ2本同時購入で50%オフ」
見出し2「話題の大ヒット化粧水」
説明文「お得な50%オフは2月28日まで!保湿成分のセラミド配合で乾燥肌でも潤い続ける肌に」
広告文B
見出し1「話題の大ヒット化粧水」
見出し2「3日間で肌質改善へ」
説明文「徹底したエイジングケアはこれ一本で完結。保湿成分のセラミド配合で乾燥肌でも潤い続ける肌に!」
上記の≪悪い例≫のように、ABテストを行うすべての見出し、説明文をバラバラの内容で設定すると、どの内容がユーザーの関心を引いているのか判断が困難になります。
≪良い例≫
広告文A
見出し1「今だけ2本同時購入で50%オフ」
見出し2「話題の大ヒット化粧水」
説明文「徹底したエイジングケアはこれ一本で完結。保湿成分のセラミド配合で乾燥肌でも潤い続ける肌に!」
広告文B
見出し1「敏感肌にも使えるエイジングケア」
見出し2「話題の大ヒット化粧水」
説明文1「徹底したエイジングケアはこれ一本で完結。保湿成分のセラミド配合で乾燥肌でも潤い続ける肌に!」
上記の≪良い例≫ のように見出し1のみ訴求内容を変えることでどの見出しが効果的なのか判断が容易になります。例えば広告文Aの効果が良いということであれば、価格訴求がユーザーにとって魅力的な要素だと判断することができるため、広告文Bにも同じ見出し1を設定し、次回の検証からは説明文の内容を変更することで、より効果的な広告文を見つけることができます。
◆注意点その4:媒体を分けずにまとめて検証する
複数の媒体で広告を配信しているのであれば、媒体ごとに分けて検証を行いましょう。媒体にはそれぞれの特性があります。GoogleやYahoo!はユーザー層や掲載場所(パートナーサイトなど)が異なるため検証結果が同じとは限らないからです。ユーザー層が異なれば自然と媒体ごとに効果の良い広告が異なるため、それぞれ分けて検証し適切な調整を行っていきましょう。
◆ポイントその1:ABテストは継続的に行う
ABテストを1度行い、効果の良い広告文の勝ちパターンが見つかったからといって終わりではありません。時期や季節によってユーザーの関心は変動するため、広告文も検証し続ける必要があります。また、同じ広告文のみを長期間配信し続けることは見飽きられてしまうため推奨しません。
Googleレスポンシブ広告について
Googleでは2022年6月30日、Yahoo!では2022年9月28日より(※日程は変更される場合があります)拡張テキスト広告の追加配信ができなくなります。将来的にはレスポンシブ広告のみの追加・編集が可能になります。現状では(※2022年6月の時点)レスポンシブ広告の広告文(アセット)ごとにクリック率やCV数など、詳しい指標までは追えず確認をすることができないため、今まで拡張テキスト広告で行っていたようにABテストにて効果を図ることが困難になってしまいます。レスポンシブ広告も見出しや説明文の位置を固定することはできるので、先ほど説明した広告文の検証をやろうと思えば行えます。位置を固定して配信することは本来のレスポンシブ広告の利点を(機械学習により最適な広告文の組み合わせで配信ができること)無くしてしまうため、最初から配信位置の固定を行うことは推奨しません。アセットごとに効果検証を行う場合は、ある程度の期間配信を行った後に、効果をみて見出し1のみを固定し見出し2以降で効果検証を行うなどで工夫をしながら運用を行う必要があるかと思います。
レスポンシブ広告の注意点としては、タイトルや説明文がそれぞれランダムに表示されるため、どの組み合わせでも違和感のない内容に設定する必要があります。見出し1と見出し2の内容が重複している、組み合わせによって表示されたときの広告が何をアピールしたいのかわかりにくくなっているなど、レスポンシブに切り替えたことで効果が悪くなることを防ぐため、レスポンシブ広告の特徴を考慮し広告文を設定しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は広告文のABテストをする際の注意点やポイントをご紹介いたしました。広告文を作成する時点で、効果検証が行いやすい広告文を設定できれば、どの要素がユーザーにとって魅力的なのかを判断することができるため、効果的な広告文を容易に見つけることができます。ぜひ、広告文を作成する際にどんな広告文を設定すればいいかわからない、いつも似たような広告文になってしまうなど困っているという方は広告文を配信してから検証することをまでを考えて、実行してみてください。ご紹介したABテストの注意点やポイントを意識し効果的な検証を行い、広告文の勝ちパターンを発掘していきましょう。
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