ウェブ広告の失敗しない媒体選びって?

2020.11.24
WEBマーケティング

インターネット広告を活用しなければいけないと思っていながらも、

なかなかどの媒体から手を出せば良いのか分からないという方も結構多いのではないでしょうか。

 

「広告ってどれが一番効果良いのかわからない・・・」

「難しい商材なのだが、広告でうまく伝わる気がしない・・・」

「検索広告が効果いいって聞くけど、BtoB向けでも効果出るの?」

 

など、悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

インターネット広告の媒体は数多く存在し、どれを選ぶかによってその後の効果は大きく変わってきます。下手に媒体を選んでしまうと、広告の表示回数だけが増えていくものの、全く関連性の低いターゲットユーザーにのみ広告が表示されてしまい、効果に全く結び付かないなんてことも起こり得ます。

 

特に法人向けのサービスなどのBtoB向け商材の場合、一般ユーザーの流入が多くなってしまうと必然的に費用対効果が悪化してしまいます。

ウェブ広告の運用を考える方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

 

1.広告で一番効果の良い媒体は?

インターネット広告を始めようと思ったときに、まず気になるのはどの媒体で広告を出せば効果が良いのかということです。インターネット広告の媒体は、それぞれその特徴や設定できるターゲットユーザーが異なっています。ですので、何の効果が良いのかということを予め決めておかないと、

 

「この視点ではこの媒体の効果が良い、しかし、こちらの視点ではあの媒体の方が良い・・・・」

 

なんて施策が迷走してしまうことになりかねません。

そこで、あらかじめ成果を評価する《評価指標》を決めておく必要があります。

この評価指標はKPIと呼ばれたりしています。

 

 

◆KPIとは

KPIとは、Key Performance Indicator の略語で重要業績評価指標と訳されています。もう一つ似たような用語にKGIというものがあります。こちらはKey Goal Indicatorの略語で重要目標達成指標と訳されています。KGIは最終的な目標数値となり、KPIはその最終目標を達成するために必要な通過ポイントの指標になります。

例えばウェブサイトの目的が、「新規の法人顧客からの受注成約」であるとするならば、

KPIは資料請求数問い合わせ数、また、そのもっと手前にある指標としてウェブサイトへの訪問数などがあげられます。

 

インターネット広告媒体の効果を判断する指標(KPI)としては以下のようなものがあげられます。

 

 

・表示回数(IMP、インプレッション)

表示回数は広告が表示された回数を示します。表示回数が多いほどより多くの広告枠で表示されたことになります。注意しなければならないのは表示回数=ユーザー数ではないので、同じユーザーに何度も表示されることが多ければ、広告を表示させることのできたユーザー数は少なくなっていきます。

表示回数をKPIにする際は、どのような条件で表示されているかも併せてチェックしていくと良いでしょう。

 

・クリック数(CT、クリックスルー)

クリック数は広告がクリックされた数になります。ですので、広告経由でウェブサイトへどのくらいユーザーを連れてくることができたかというのを測る指標になります。ウェブサイトからの問い合わせを増やすのであれば、そのウェブサイトへの流入数を増やさなければ問い合わせの総数は増えていきませんが、質の悪いユーザーを呼び込んだとしても、単なるサイト訪問で終わってしまったり、問い合わせの質が低下してしまったりしますので、クリック数を指標とする場合はウェブサイトを訪問しているユーザーの質にも意識しておくと良いでしょう。

 

・クリック単価(CPC)

クリック単価は、費用÷クリック数で算出される指標で、広告の1クリックあたりに支払う費用になります。つまり、広告を掲載して広告経由でユーザーをウェブサイトに連れていくのにいくらの費用がかかっているかという指標になります。クリック単価は安ければ安い方が良いのですが、広告効果が見込めそうなターゲットユーザーは競合他社もターゲティングしていることが多いため、クリック単価は高騰しがちです。そのため、似たような媒体を比較する際の二次的な指標とするのが望ましいでしょう。

 

・コンバージョン数(CV)

コンバージョンとは、ウェブサイトの目的への到達を表しています。インターネット広告では「資料請求」や「問い合わせ」をコンバージョンとすることがあります。多くのサイトでは、「資料請求」や「問い合わせ」をした後に「ありがとうございます。」と表示された《サンクスページ》と呼ばれるページに遷移します。このページに到達したユーザーの数を計測することで、コンバージョンがいくつあったのかを測ることができます。通常、コンバージョンは広告媒体毎に計測できるのでどの広告媒体がコンバージョンに多く結びついているのかなど分析することができます。

 

 

このように、KPIとなる指標を比べてみると、KGIに一番近いコンバージョンをKPIに設定しがちですが、ユーザーの検討期間が長いBtoBの商材や、市場の認知度が低い商材などの場合はコンバージョンがなかなか発生しにくいということもしばしばあります。

このような場合にいきなりコンバージョンをKPIに設定してしまうと、コンバージョンが発生しないために広告の効果を判断しづらく、短絡的に効果に結び付かなかったと結論に陥りやすいです。

 

そこで、KPIを設定する場合には、配信するキャンペーンの目的と併せて考えていく必要があります。

 

 

◆広告キャンペーンの目的

インターネット広告を配信する目的は下記のものが一般的です。

キャンペーンの目的とそれにあったKPIを併せてみていきましょう。

 

・認知拡大

新商品の告知や、既存の商品をもっと多くのユーザーに知ってもらいたい場合、ウェブ広告の目的は「認知拡大」となります。多くのユーザーにメッセージを届けることが重要になりますので、広告媒体のユーザー数(会員数や利用者数など)や広告の表示回数などで判断するとよいでしょう。

 

・サイトへの流入数の拡大

上記の認知拡大と似ていますが、もう一歩踏み込んだ内容です。ブランド名や企業名を認知してもらうことの他に、ユーザーがサイト上を閲覧しながら行動することで、マーケティングデータを蓄積することができます。

この場合は広告媒体のユーザー数(会員数や利用者数など)の他にも、広告のクリック数や、広告表示からクリックし遷移が発生する割合であるクリック率などで判断するとよいでしょう。

 

・ウェブサイトからの購入、申し込み、問い合わせ件数の拡大

ECサイトでの購入数や、サービスの申し込み数など、マーケティング施策の中のゴール部分の効果拡大を目的とする場合は、その費用対効果の効率と、実際に獲得できる獲得数の規模で判断するとよいでしょう。1件あたりの獲得に掛かる費用が安くても、獲得数が伸ばせない場合や、逆に獲得数は見込めるが1件あたりの獲得に掛かる費用が高くついてしまう場合もありますので、マーケティング施策全体の視点から見てバランスをとっていく必要があります。

 

・ブランディング

ブランディングを目的とする場合、「認知目的」「マインドシェアの拡大」「イメージを持ってもらう」など複合的な目的になりますが、何よりもユーザーとの信頼関係の構築という視点が必要になります。

その為、広告配信が商品や企業のイメージを壊さないように最大限配慮することが欠かせません。広告の掲載先がどのような場所で、他にはどのようなジャンルの広告が掲載されているのかなど事前に確認してから判断するとよいでしょう。

 

広告媒体には得意とするターゲット層や配信メニューがあります。その為これらのように目的にあった判断基準で広告媒体を選ぶことが必要になってきます。

 

広告の目的とそれにあった媒体の図

 

⇒「媒体の選び方」についてもっと知りたい方はこちら

 

 

2.BtoB向け商材の広告で一般ユーザーを除外するのは難しい

BtoB向けの商材で難しいのが、法人ではない一般個人のユーザーによる広告クリックです。法人からの「問い合わせ」をコンバージョンとして最適化していきたい場合など、一般個人からのクリックが増えてしまえばそれだけ費用対効果は悪化してしまいます。そこで一般個人のクリックをできるだけ防ぐためにはどうしていけば良いかを紹介いたします。

 

 

◆検索連動型広告で一般ユーザーのクリックを防ぎたい場合

リスティング広告の場合、法人か個人かという風にターゲティングをして広告を出しわけることはできません。ですので、同じ検索語句に対する広告出稿には法人のユーザーも一般個人のユーザーも含まれてしまいます。

リスティング広告で一般ユーザーへの広告配信を防ぎたい場合は、除外キーワードの登録で一般ユーザーが検索しそうな語句を除外設定していくしか方法はありません。

また、「業務用」や「法人」などの掛け合わせキーワードを含む場合にのみ(絞り込み部分一致のマッチタイプを活用して)広告配信をするというのも有効ですが、この場合は逆に法人企業の方でもこれらの掛け合わせ語句を含んで検索してくれないと広告配信ができなくなってしまうので、配信量が低下する恐れがあります。

 

 

◆ディスプレイ広告で一般ユーザーのクリックを防ぎたい場合

バナー広告を配信するディスプレイ広告の場合も同様に、法人だけをターゲティングして広告を配信することはできません。ですが、BtoBの商材の場合、スマートフォンでウェブサイトが閲覧されることよりも、PCで閲覧されることの方が多いので、デバイスをPCのみに限定するなどの対応で、一般ユーザーからの流入を限定的にすることができます。

また、バナーの配信先などをこまめにチェックし商材とマッチするコンテンツをターゲティングしたりすることでターゲティングの精度を高めることができます。

 

 

バナー広告の中でもDSP広告と呼ばれる媒体では法人のIPアドレスを限定してターゲティングできる機能があるものなどもありますが、このような場合、広告出稿に最低出稿金額が設定されている場合がありますので、広告出稿する際はその費用対効果が見込めるのかどうかを判断する必要があります。

 

 

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、インターネット広告を始めるにあたり広告媒体をどのような基準で選べばよいのかをまとめさせていただきました。広告媒体の評価をする場合にはKPIを設定して判断しないといけませんが、そのKPIはキャンペーンの目的から適正なものを選ぶ必要があります。

適正なKPIが設定されていないと、目標が達成できなかったり、本来はマーケティングの中で有効な手段であるにもかかわらず、効果が悪く見えたりしてしまいます。

特に、BtoB向けの商材を扱う場合にはより高度な媒体選定が必要になります。

媒体選定やその配信手法に困った際は、是非お気軽にお問い合わせください。