顕在化したニーズにアプローチする広告手法とは
マーケティングを効率的に運用していくためには、顕在ニーズの刈り取りのためのアプローチ方法と潜在ニーズの掘り起こしのためのアプローチ方法について、それぞれ別々に議論していく必要があります。そこで今回は、ダイレクトに売り上げに直結する、顕在化したニーズを最大限に刈り取るにはどうすれば良いのかを考えてみたいと思います。
「顕在化したニーズを効率的に刈り取るにはどうすれば良いか・・・」
「顕在顧客へのアプローチを強化したい」
「顕在層のユーザーに対しても、認知拡大のような施策でよいのだろうか・・・」
なんて悩んでいるウェブマーケターの方のために、顕在層へアプローチするための広告手法をご紹介させていただきます。現在の刈り取り施策に満足できていない方は是非最後まで読んでいただければと思います。
目次
1.潜在層・顕在層とは
ウェブマーケティングだけに限った話しではありませんが、マーケティング戦略を考えていくうえで、ターゲットとなる顧客層を《潜在層》と《顕在層》として個別に考えていくことは非常に重要であるといえます。
この二つのタイプの顧客層では、行動パターンや商品に対するモチベーションが異なる為、同じやり方でアプローチしたとしても、決して同じように反応してはくれないことでしょう。その為、潜在顧客に向けたマーケティング施策が良い効果だったからといって、その方法を顕在顧客に向けて実施したとしても同じ効果は得られません。逆に、顕在顧客に対するマーケティング施策をそのまま潜在顧客に充てたとしても同じことが言えるでしょう。だからといって、潜在顧客と顕在顧客の両方に向けたマーケティング施策として一緒くたにまとめてしまうのでは、対象がぼやけてしまい、かえって効果を悪化させてしまうこともあります。
顕在層に対するウェブマーケティング戦略を考えていく前に、今一度、潜在層、顕在層とはどういった顧客像なのかを振り返ってみたいと思います。
潜在層とは
潜在層とはニーズがまだ表れていない状態ですが、何かちょっとしたきっかけで、ニーズが表れそうな
潜在顧客(見込み込顧客)のことです。
顕在層とは
顕在層とはニーズがすでに表れている状態の顕在顧客のことを指します。顕在層のユーザーは自分自身のニーズに気付いているため、そのニーズを満たすための行動を自ら起こします。潜在顧客と顕在顧客を比較した場合、当然ながら顕在顧客の方が広告費用に対する費用対効果は良くなります。
特に、マーケティングで使える予算が限られている場合は、まずは、費用対効果の良い顕在層の刈り取りを手堅くしていくことが望ましいと考えられます。
2.顕在層を得意とする広告手法
以下では、顕在層のユーザーにアプローチする広告手法にはどのようなものがあるのかを見ていきたいと思います。
・広告手法その1:検索連動型広告(リスティング広告)
顕在層へのアプローチを得意とする広告媒体の一つにリスティング広告があります。
インターネットが普及している現在の社会では、「検索」という行動がユーザーの行動パターンのなかで重要な地位を占めています。
皆様も経験があるかと思いますが、日常生活の中で、分からないことがある場合や、欲しいものがあった場合、まずは検索エンジンで気軽に調べてみるのではないでしょうか。そして、検索結果画面の中からいくつかのページを訪れて情報を得ていることかと思います。このように、欲しいものを求めるための検索キーワードには皆さまのニーズが表れていると言えます。
リスティング広告では、このユーザー自身が入力する検索キーワードに対して広告を配信しています。言い換えれば、ユーザーの顕在化したニーズに対して、的確に広告配信をしているということになります。
リスティング広告はSEO対策の補完としても役立つ!
検索エンジンの検索結果画面には、自然検索の結果と広告の掲載枠が表示されています。自然検索の検索結果に上位表示させるための対策のことをSEO対策といいますが、顕在化したニーズにアプローチするためには、SEO対策のみではなかなか十分に対応することは難しいでしょう。特に、ユーザーの検索数が多く、また、競合がコンテンツを多く配信しているようなビックワードでは、短期的に掲載順位上げていくことは不可能に近いといえます。
即効性のあるリスティング広告を活用することで、ユーザーに届けたい情報を検索結果に掲載しておくことが出来ます。
・広告手法その2:ディスプレイ広告のリマーケティング広告
リマーケティング広告とは一度サイトを訪れたことのあるユーザーに対して、広告配信をする手法になります。一度サイトに訪れたことのあるユーザーですので、広告主の商品に興味関心を持っているということが推測できるのではないでしょうか。
このリマーケティング広告の対象となるユーザーを設定するためには、リマーケティングリストというユーザーのリストを予め設定します。このリストはほとんどの媒体で、URL単位で指定することが出来ます。そのため、このリストの組み合わせ方を工夫すれば、一度購入したことのあるユーザー(すなわち、サイト上のサンクスページなどの完了ページに到達したユーザー)にのみ対象を絞って広告配信をすることも可能です。
ウェブマーケティングを問わず、マーケティングの中で、最も顕在化したニーズと呼べるのがリピーター顧客ではないでしょうか。リマーケティング広告を上手く活用することで、リピーター顧客を囲い込むことが出来ます。リピーター顧客の場合、新規のユーザーよりも高いコンバージョン率(CVR)で広告配信をすることが可能なケースが多く、リマーケティング広告を配信することはウェブマーケティング全体の最適化を考えていく際に重要な施策といえます。
リマーケティング広告はGoogle広告のGoogleアドネットワーク(GDN)やYahoo!の提供しているYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)、また、その他DSP広告などで利用することが出来ます。
・広告手法その3:ディスプレイ広告のサーチターゲティング
ディスプレイ広告の配信手法の一つとして、サーチターゲティングというものがあります。この手法は過去に特定のキーワードを検索したことのあるユーザーにのみ対象を絞って広告配信をする手法になります。検索エンジンの検索結果に広告を配信する検索連動型広告(リスティング広告)ほど顕在的ニーズの刈り取りを得意としているわけではありませんが、このサーチターゲティングという手法も、ユーザー自身の検索行動に基づいている配信手法であるため、顕在化したニーズにアプローチすることのできる配信手法といえるでしょう。
また、サーチターゲティングでは、競合他社の社名やサービス名を検索したことのあるユーザーに対して広告配信ができるなど、リスティング広告ではできない配信設計も可能です。このサーチターゲティングという配信メニューを活用すれば、競合他社のことは知っていても自社のことを知らないという新規ユーザーに対して効率的にアプローチすることが出来ます。
3.顕在層向けのランディングページの訴求
ここまでは、顕在化したニーズに強いとされる広告の配信手法についてまとめさせていただきました。広告の配信手法を考える際に、併せて考えたい、もう一つの重要な要素が広告のリンク先となるランディングページです。
ここまで見てきましたように、顕在顧客と潜在顧客では商品に対する意欲の度合いが異なります。当然、ランディングページにつきましても、情報の組み立て方や見せ方についても別々に考えていく必要があります。
顕在層向けのランディングページで重要なこと
顕在層のユーザーの場合、既に自分の探している情報を自分自身で自覚しています。その為、求めているニーズに対応する答えが、ランディングページ上にないと直ぐに直帰をしてしまうことになるでしょう。特にランディングページを訪れた際に最初に目にする、ファーストビューでの訴求ポイントの整理は、非常に重要です。ファーストビューでユーザーが興味を持たなければ、そのページをスクロールして読むことすらしてはくれないからです。
広告側でどんなに顕在化したニーズ(優良なユーザー)を呼び込んだとしても、そのニーズを満たすような情報を伝えることが出来ていなければ、ユーザーはサイトのゴールへは到達してはくれません。
ランディングページを設計するときは、誰に向けた設計なのかを、あらかじめ流入設計側とすり合わせておいたほうが良いでしょう。そうすることで、より一層、顕在化したニーズの刈り取り効果を高めることが可能となるはずです。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は顕在化したニーズにアプローチする広告手法としてまとめさせていただきました。顕在層のユーザーは既に自分自身のニーズを自覚しており、何を求めているかを知っています。その求めているものを適切に提供できることが、顕在層へのアプローチでは求められています。リスティング広告などを活用することで、顕在化したニーズに対して最大限アプローチすることが出来るでしょう。
ただし、アプローチをしたからといって必ずしも成果に結び付くとは限りません。今回ご紹介したリスティング広告をはじめ、運用型広告は適切に運用していかなければ効果の改善は見込めません。もし、顕在層へアプローチをしたものの、その後の運用方法が分からない・・・など対策に行き詰った際は是非ご相談いただければと思います。
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