Facebook広告とInstagram広告

2018.12.2
広告運用
Facebook広告とInstagram広告

ここ最近、急速に市場を拡大しているFacebookとInstagramですが、皆さんの中でも、仕事以外でも利用されている方は多いのではないでしょうか。

 

Facebookの全世界での月間のアクティブユーザーは21億人いると言われ、日本だけでも毎月2400万人のユーザーが利用しています。

 

Instagramは当初は若い女性向けのアプリとして人気がありましたが、最近では男性のユーザーや30代以上のユーザーも着実に増え、日本だけでも2000万人のユーザーが利用しているコミュニティにまで成長しています。

 

今や最も知られたSNSツールともいえるFacebookとInstagramは、広告主の立場から見れば是非とも広告を出してみたいと思うのではないでしょうか。

 

実は、Facebook広告とInstagram広告は一つのFacebookの広告アカウントで管理する広告になります。その為、基本的な機能や広告の運用方法は同じになります。

 

以下ではFacebook広告の特徴として、どのような広告なのか、どのようなことが出来るのか、どのように広告運用していくのかを見ていきたいと思います。

 

1.Facebook広告の特徴

・ユーザー自身で入力しているデモグラフィックデータ

・ユーザーが自発的に選んでいる興味関心

 

Facebook広告の特徴は何といってもそのターゲティングの精度です。デモグラフィックデータや、興味関心に基づいたターゲティング広告というのは、Googleディスプレイネットワーク(GDN)、Yahooディスプレイアドネットワーク(YDN)をはじめ、その他のDSPメディアでも可能です。

 

GDN、YDNなどの多くのディスプレイ広告の場合、そのターゲティングの根拠となっているものは基本的には、ユーザーが普段使っているブラウザ(Google Chrome、インターネットエクスプローラ、Firefoxなど)のアクセス履歴の遷移情報です。ですので、厳密な意味合いでいうと、『ユーザーターゲティング』というよりは『ブラウザターゲティング』に近いかもしれません。

 

「このユーザー(ブラウザ)は化粧品のサイトをよく見るから、コスメのカテゴリに興味があるだろう」

「このユーザー(ブラウザ)は子供服のサイトをよく見るから、子どもがいるだろう」

 

というような感じでユーザーをセグメントに切り分けていきます。

 

一方、Facebookではユーザー自身が入力したデータをもとにターゲティングが出来ます。Facebookを利用しているユーザーは、氏名・年齢・勤務先・居住地域など、実名で登録されている方が多いかと思います。これらのデモグラフィック情報をもとにしたターゲティングができるので、上記のようなディスプレイ広告のターゲティング手法と比べ精度が高いことが分かるかと思います。

 

また、ユーザーの興味関心に関しても、ユーザーがフォローしているアカウントや「いいね」を押したコンテンツの情報をもとにセグメントしているため、よりユーザーの意思を反映しているといえます。

 

ターゲット

 

Facebookの発表によると通常のオンライン広告でユーザーをターゲティングした場合、そのターゲットの62%以下のユーザーにしかリーチできていないようですが、Facebook広告であればターゲットの95%以上のユーザーにリーチできると言われています。

 

ターゲットリーチ

 

このように、Facebook広告とGDNやYDNなどの広告では、ターゲティングのための元データに大きな違いがあります。ユーザー自身が入力しているデータに基づいたターゲティングができるということはFacebook広告の大きな特徴の一つです。

 

 

2.Facebook広告を活用するには、目的をハッキリさせよう!

Facebook広告では下記のような目的を設定して広告配信ができます。

 

 

・ブランドの認知度アップ

ブランド認知度アップを目的とすると、広告を覚えてくれる可能性の高いユーザーへの配信がされます。

 

 

・リーチ拡大

リーチ拡大を目的とすると、広告をできるだけ多くのユーザーに配信することが出来ます。

 

 

・トラフィック拡大

トラフィックの拡大とは、Facebook内の広告からウェブサイトやアプリへのユーザーの誘導を最大化することを目的としています。

 

 

・エンゲージメントの最大化

Facebookページや投稿への「いいね!」獲得を目的とする場合に設定します。「いいね!」やシェア、コメントなどユーザーによるアクションを最大化させます。

 

 

・獲得(コンバージョン)

購入など、ウェブサイトやアプリ上でのアクションを最大化させます。

 

これら以外にもFacebook広告では、キャンペーンの目的を設定することが出来ますので、キャンペーンを作成する際には、その目的を確認してみてください。

 

キャンペーンの目的の図

 

 

3.重要なのはキャンペーンの目的をしっかりと設定すること!

設定できるキャンペーンの目的からも分かるように、Facebook広告では、ユーザーへの認知から検討、獲得までのマーケティングファネルをフルファネルで設計できます。

 

どのマーケティングファネルのキャンペーンを作成しても同じことが言えるのですが、それぞれのキャンペーンを最も効率的に配信するために重要なのは、広告を実施する目的とキャンペーンの目的を一致させることです。

 

Facebook広告からの売り上げを最大化させたいのであれば、コンバージョンを目的としてキャンペーンを設定します。Facebookユーザーをウェブサイトに呼び込みたいのであれば、トラフィック拡大をキャンペーンの目的として設定します。

 

例えば、売り上げを目的とした広告を配信したい場合、リーチ拡大などにキャンペーンの目的を設定していても、Facebook広告を最大限に活用できていないといえます。

 

その理由は、ユーザーには様々なタイプがいるからです。

 

・Facebook広告をいいね!するのに抵抗が低いユーザー

・広告のリンクをクリックして、ウェブサイトへ遷移してみるのに抵抗が低いユーザー

・Webサイト上で購買アクションをするのに抵抗が低いユーザー

 

このように、ユーザーのアクションに対するハードルの高さは、それぞれのユーザーによって異なります。

 

Facebook広告では、それぞれの目的のキャンペーンで最も効果が出るように、対象のユーザーを自動的にセグメントしています。その為、この目的設定でミスマッチにならないことが重要なのです。

 

 

4.他媒体との併用で相乗効果をねらう!

上記で紹介いたしましたように、Facebook広告ではフルファネルで広告設計ができます。

 

しかしながら、ユーザーのインターネット利用が複雑化している今、一つの広告のみ配信していればいいということはありません。

検索連動型広告とFacebook広告の併用で、広告効果は30%増加、ユーザー1人当たりの売り上げは24%増加したというデータもあり、他媒体との併用が一般的となっています。

 

しかしながら、認知拡大からコンバージョン目的までフルファネルでの広告設計は魅力的ではありますが、やはりそれにはそれなりの広告費がかかってしまいます。

そこで獲得単価重視で広告費にあまり余裕がない場合は、認知拡大やトラフィック拡大などの拡張施策ではなく、リマーケティング施策での相乗効果を狙っていくとよいでしょう。

 

リマーケティング広告とは一度サイト内に訪れたことのあるユーザーに対して広告を配信する手法になります。ウェブサイト内にFacebook広告のタグ(Facebook広告ではピクセルと呼ばれています)を設置しておくことで、サイトに訪問したユーザーがFacebookを利用している際に広告を配信することが出来ます。

 

ユーザーのインターネット利用時間が増え、インターネットの利用が日常生活の一部となった今、たった一回のウェブサイトの訪問で、ユーザーが商品の購入やサービスの申し込みをしてくれることはほぼありません。

 

ユーザーは広告主のウェブサイトを何度か訪れ、必要な情報が得られれば商品の購入やサービスの申し込みをしてくれます。一度ウェブサイトを訪れたことのある優良なユーザーを逃さないためにもリマーケティング広告を実施するとよいでしょう。

 

まだ実施されていないのであれば、マーケティング全体の効果を改善できるかもしれません。

 

 

5.アプリ内ブラウザという注意点!?

Facebook広告で注意しなければならないのは、Facebook上で広告をクリックするとアプリ内ブラウザが起動することです。

 

少し難しい話になってしまいますが、Web広告の多くは、その効果測定をブラウザ単位でCoockieを付与して計測しています。その為、基本的にブラウザを跨いでの計測はできません。

 

例えば、ウェブサイトでの購入を目的とした広告キャンペーンの場合、Firefox(ブラウザ)で広告をクリックして、しばらくしてからGoogleChrome(別のブラウザ)で検索して再びサイトを訪問し、購入完了ページに到達した場合、広告をクリックしたというデータはFirefoxが持っているためGoogleChromeで購入したとしても広告の成果として計上されません。

 

Facebook広告の場合も同様に、Facebook上で広告をクリックしたのち、別のブラウザを立ち上げてサイトを訪問し購入完了ページまで到達した場合には、Facebook広告の管理画面上では広告の成果として計上することが出来ません。

 

このため、管理画面上の数値では、実際の影響よりも過小評価されてしまうことがあります。少しだけ広告配信したが効果が出なかったといって、すぐに配信をやめてしまうのでは運用型広告はあまり活用できません。

 

Facebook広告の運用ではアプリ内ブラウザが起動されていることを、意識しておく必要があります。Facebookの特性を理解し、なぜ、効果が出なかったのか、効果が出るためにはどのように活用していくのが良いかを考えていくスキルが運用担当者には求められてきます。

 

 

6.まとめ

いかがでしょうか。Facebook広告について理解していただけましたでしょうか。

 

繰り返しになりますがFacebook広告の最大の特徴は、そのユーザーターゲティングの精度の高さになります。この特徴は他の広告と併用することで、その効果を高めることが出来るでしょう。

 

皆さんもFacebook広告・Instagram広告を活用して、マーケティング全体の効果改善に取り組んでみてください。