リスティング広告でコンバージョンの質を上げるためには、除外ワードを設定しよう

2020.9.28
広告運用

皆さんは、ウェブマーケティングのPDCAをどのように進めていますでしょうか。

ウェブマーケティングを実施していく中で、ある程度『ウェブからの問い合わせ』が発生するようになると、次に意識されるようになるのがその「」ではないでしょうか。

 

ウェブマーケティングを実施するにあたり多くのマーケターの方が、

『ウェブからの問い合わせ』=コンバージョン

と設定しているかと思います。

 

「ランディングページからのコンバージョン数を増やしたけど質が低い・・・」

「問い合わせの営業見込みが低すぎる・・・」

「コンバージョンの件数は減らしたくないが、質は上げたい・・・」

 

今回は、このようにコンバージョンの質に関して課題がある場合に有効な手法として

リスティング広告の除外キーワードについてご紹介させていただきます。

 

1.コンバージョンの質とは

 

リスティング広告を効果改善していくうえで重要な指標となるのがコンバージョンです。

通常、コンバージョンはサンクスページと呼ばれるページに設置されたタグにより計測されます。

『問い合わせ』をコンバージョンとするのであれば、問い合わせが完了しその後に表示される

「お問い合わせありがとうございます。」とあるページがサンクスページになります。

 

サンクスページの図

リスティング広告を運用していくうえで、コンバージョン数を増やしていこうとすると、ある程度確度の低い見込みユーザーや「潜在層」と呼ばれるユーザーに対しても配信していく必要があるため、コンバージョンの質は低下しやすいといえます。

 

※潜在層について詳しく知りたい方はこちら

 

例えば、BtoB向けの「複合機」を扱っていてリスティング広告を配信している場合、

購入意欲は低くても性能や価格を比較している企業の担当者さんはもちろんのこと、

家庭用の「プリンター」や「スキャナー」などを探している一般ユーザーの方も広告をクリックしてしまう可能性があります。

 

そうすると、せっかく問い合わせが発生したとしても、単なる価格の問い合わせに終わってしまったり、家庭向けのプリンターの扱いがあるかというような、BtoBの案件化が難しいような問い合わせが増えてしまい、広告の運用レポート上はコンバージョンが低単価で獲れていたとしても、業務効率が悪化してしまいます。

 

そこで重要になってくるのがコンバージョンの質の管理です。

 

2.リスティング広告の除外ワードとは

 

リスティング広告のコンバージョン(ウェブからの問い合わせ)の質を高めていくうえで重要なのが《除外ワード》になります。

 

◆リスティング広告のキーワードの仕組み

リスティング広告では、広告を配信するキーワードを予め設定することができます。

広告の運用担当者は、コンバージョンに結び付きそうなキーワードを予測してキーワード構成を考えていきます。

 

※キーワード構成について詳しく知りたい方はこちら

 

ただし、どんなに優れた広告の運用担当者であったとしても、ユーザーのコンバージョンに結び付くすべての検索語句をあらかじめ知りうることはできません。1日にGoogleで検索される検索語句のうち約20%は過去90日に一度も検索されたことないキーワードといわれており、コンバージョンに結び付く検索語句をすべて網羅することは不可能といえるでしょう。

 

そこで、活用するのが部分一致というマッチタイプです。これは運用担当者が登録したキーワードに完全に一致しているキーワードだけでなく、検索エンジン側で「意味合いが似ていると判断されるもの」に対しても、広告配信を拡張していく機能になります。

 

特に最近では、機械学習機能を搭載した自動運用が進んでいるため、機械による判断の精度が上がってきていることもあり、コンバージョンの数を増やしていくためには、ある程度拡張性のある部分一致の登録が推奨されています。

 

◆部分一致による拡張はコンバージョンを増やすが・・・

 

部分一致の登録はコンバージョンを増やしていくためには欠かせませんが、

上述のように「意味合いが似ていると判断されるもの」への拡張になっていきますので、

当然、獲得に結び付かないような質の低いキーワードに対しても配信をしていくことになってしまいます。

 

そこで、必要になってくるのが

広告を配信しないキーワードを予め設定する《除外ワード》の登録です。

除外ワードを予め登録しておくことで、部分一致の拡張による質の低いキーワードへの広告配信を防ぐことができ、コンバージョンの質を高めていくことができます。

 

3.除外ワードの設定にも注意が必要

 

部分一致の設定が、コンバージョンの見込みのあるキーワードへの配信を拡張していくのと同時に、質の悪そうなキーワードへも配信を拡張してしまうため上手く活用していく必要があるように、《除外ワード》についても注意を払って設定する必要があります。

 

闇雲に除外ワードを設定してしまうと、効果の見込めるキーワードで広告の配信ができていなかったり、獲得が見込めそうなキーワードへの配信がされなくなったりしてしまうからです。

 

◆除外ワードにもマッチタイプがある

除外ワードを設定する際に注意しなければならないのは、除外ワードにもマッチタイプがあるということです。

リスティング広告で設定できるキーワードのマッチタイプには下記のものがあります。

 

・完全一致

登録されているキーワードが、ユーザーが入力する検索語句に完全に一致するもの。

 

・フレーズ一致

登録されているキーワードが、ユーザーが入力する検索語句に語順を崩さずに一致するもの。

 

・(絞り込み部分一致)

登録されているキーワードが、ユーザーが入力する検索語句に含まれているもの。

 

・部分一致

登録されているキーワードが、ユーザーが入力する検索語句に意味的に一致すると判断されるもの。

※部分一致の拡張は検索エンジンによるものなので、運用者側でその範囲をコントロールすることはできません。

 

マッチタイプの図

除外ワードのマッチタイプの場合は、部分一致で登録すると、通常のキーワード登録《絞り込み部分一致》と同じ扱いになりますので、注意が必要です。

 

4.まとめ

いかがでしょうか。今回はリスティング広告を運用していく中で、コンバージョンの質を改善していくために必要な《除外ワード》について紹介させていただきました。

リスティング広告をはじめ運用型広告の成果を見る場合、

多くの担当者の方が獲得単価(CPA)でその成果を見ているかと思います。

獲得単価は、コンバージョンの数が多ければ多いほど低くなりますので、コンバージョンの数を増やすことばかりに目が行ってしまいますが、質の悪いコンバージョンを増やしてしまうと、リアルの業務で効果に結び付いていなかったり、逆に管理の工数ばかりが掛かってしまうということにも成りかねません。

 

「ウェブ経由の獲得単価は下がっているけど、営業側で実感がないんだよね・・・」

 

こんな時は、コンバージョンの質が低下しているのかもしれません。

ユーザーの検索語句を確認し、本当に見込みのありそうなキーワードでコンバージョンしているのかを確認し、不要であれば除外をしていくことで、問い合わせの質が改善できるでしょう。

 

是非参考にしていただければと思います。