【マッチタイプの仕様変更】絞り込み部分一致とフレーズ一致の今後
広告運用をされている方であれば、もちろんご存じの「マッチタイプ」。
Google広告やYahoo!広告など、リスティング広告を配信する上で非常に重要な役割を持ちます。
自社のサービスや商材のターゲットとなるユーザーに向けて「完全一致」でピンポイントに広告を表示したり、「部分一致」で拡張性を持たせて広範囲に広告を表示したりと、目的に合わせて設定することで広告効果を最大限引き出すことができます。
その反面、マッチタイプの設定を誤ってしまうとターゲットユーザーとは異なるユーザーへ広告を表示させてしまったり、広告を表示させる範囲が狭すぎてなかなか広告効果が出なかったり、なんてことが起きてしまいます。メインとなるターゲットユーザーに対し、確実に広告を表示させるためにもマッチタイプを理解し、うまく活用することが重要です。今回はその「マッチタイプ」の1つである「絞り込み部分一致」と「フレーズ一致」に仕様変更がありました。
そこで本稿では、従来のマッチタイプの特徴と仕様変更される「絞り込み部分一致」「フレーズ一致」の変更点、注意点をご紹介いたします。
既に広告運用を担当されている方やこれから広告運用を始められる方はぜひ参考にしていただければと思います。
目次
1.キーワードのマッチタイプについて
マッチタイプとは、ユーザーの検索語句に対してどの範囲まで広告を表示するか決める設定です。自社サービスの特性や広告の目的に合わせて使い分けることで、様々なユーザーへアプローチすることが可能になります。
Google広告、Yahoo!広告ではそれぞれ4つのマッチタイプが存在します。
・完全一致
・フレーズ一致
・絞り込み部分一致
・部分一致
それぞれのマッチタイプの特徴は以下になります。
◆完全一致
完全一致は、登録したキーワードと検索語句が完全に一致した場合、もしくはその類似パターンに該当する検索語句の場合に広告が表示されるマッチタイプです。
Google広告の場合は、登録するキーワードを [ ](角カッコ)で囲うことで設定することができます。
▽登録したキーワード
[国内 旅行]
▽広告が表示される検索語句
「国内 旅行」
◆フレーズ一致
フレーズ一致は、登録したキーワードと検索語句との語順が一致している場合に広告が表示されます。
また、語順が一致していればキーワードの前後に他の単語が含まれている場合でも広告表示が可能です。
Google広告の場合はキーワードを ” ”(二重引用符)で囲うことで設定することができます。
▽登録したキーワード
“国内 旅行”
▽広告が表示される検索語句
「国内 旅行 おすすめ」
「国内 旅行 会社 格安」など
これまでのフレーズ一致は、上述したように登録したキーワードと検索語句の語順が一緒でないと広告が表示されませんでしたが、今回のマッチタイプの仕様変更で語順も関係なく広告表示ができるようになりました。
詳しくは後ほどご説明させていただきます。
◆絞り込み部分一致
絞り込み部分一致は、語順に関係なく登録したキーワードが検索語句に含まれている場合に広告が表示されます。また、キーワードの間に他の単語がある場合でも広告を表示することができます。
後述する「部分一致」よりも範囲を絞って広告を表示させることができるマッチタイプです。
Google広告の場合はキーワードの前に半角の +(プラス)記号を付与することで設定できます。
▽登録したキーワード
+国内 +旅行
▽広告が表示される検索語句
「夏休み 国内 旅行」
「旅行 国内 島」
「旅行 ツアー 国内 」など
◆部分一致
部分一致はマッチタイプの中で最も範囲が広く、登録したキーワードの類義語や関連性が高いと判断された検索語句にも広告が表示されます。
Google広告の場合は、キーワードに記号を付与せずにそのまま登録することで設定できます。
▽登録したキーワード
国内 旅行
▽広告が表示される検索語句
「草津温泉 宿泊」
「人気の宿 予約」など
部分一致に関しては、どこまでキーワードが拡張されるのか媒体側もはっきりと明示していないため、実際にどのような検索語句で広告が表示されているかは、広告管理画面上の検索語句レポートを見て確認する必要があります。
上記のマッチタイプの特徴をまとめると以下になります。
・完全一致 …リーチが狭く、精度が高い
・フレーズ一致 …精度を上げつつ、リーチも広げる
・絞り込み部分一致…リーチを広げつつ、精度も上げる
・部分一致 …リーチが広く、精度が低い
2.絞り込み部分一致とフレーズ一致の仕様変更
上述した通り、従来のマッチタイプは、「完全一致」「フレーズ一致」「絞り込み部分一致」「部分一致」の4つがありました。
今回の仕様変更は、フレーズ一致に絞り込み部分一致の機能を取り入れることを目的としたもので、仕様変更後は絞り込み部分一致は廃止され、フレーズ一致に統合されることとなります。
なお、今回の仕様変更は日本ではGoogle広告・Yahoo!広告ともに2021年7月適用となっています。
ここでは、仕様変更によるフレーズ一致の変更点と絞り込み部分一致の注意点をご説明いたします。
◆フレーズ一致の変更点
従来のフレーズ一致は、キーワード同士の語順が異なっている場合は広告が表示されませんでしたが、今回の仕様変更により、語順が異なる場合でも検索語句の意味が一致していれば、広告が表示されるようになりました。
【例】
▽登録したキーワード
”航空券 羽田から新千歳まで”
▽広告が表示される検索語句
「格安航空券 羽田から新千歳まで」
「羽田発 新千歳行き 航空券 予約」
▽広告が表示されない検索語句
「新千歳 航空券 羽田まで」
上記のように語順が異なっている場合でも、「航空券 羽田から新千歳まで」という意味が一致していれば広告が表示されるようになりました。一方で「新千歳から羽田」など語順によって意味が変わった検索語句に対しては広告が表示されません。
◆絞り込み部分一致の注意点
絞り込み部分一致とフレーズ一致が統合されることによって以下の点に注意する必要があります。
- 絞り込み部分一致の新規作成ができなくなる。
2021年7月から絞り込み部分一致でのキーワードを新規で作成することができなくなります。既に登録されている絞り込み部分一致に関しては、フレーズ一致として動作するようになります。
- キーワードの一部を絞り込むことができなくなる。
従来であれば「+旅行 国内」といったように「旅行」のみ絞り込み、「国内」を部分一致で広げることができましたが、今後はフレーズ一致として認識されるようになります。
- 除外キーワードの仕様は変更されない。
除外キーワードにおけるマッチタイプは、今回の仕様変更の影響を受けずこれまでと同じ仕様となります。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「絞り込み部分一致」と「フレーズ一致」の仕様変更についてご説明させていただきました。
絞り込み部分一致とフレーズ一致が統合されることによって、アカウント管理の効率化が進むだけでなく、ユーザーの検索意図をこれまで以上に汲み取ることが可能になっていきます。
今後の広告運用は「語句の一致」だけでなく「意味の一致」が重要になってくるのではないでしょうか。
本稿が皆様のお役に立てておりましたら幸いでございます。
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