自動運用で調整できる項目、調整できない項目
ある程度の期間、広告配信をしていると「PCから流入してくるユーザーが多い」や「夕方以降の時間帯のクリックが多い」などデータが蓄積されてきます。そのデータから、より効率よくコンバージョンの獲得を伸ばせばよいか戦略を練ることができます。戦略の一つとして、効率よい時間帯やデバイスなどの入札価格比率を調整することは非常に有効といえます。しかし、「自動入札」を利用している場合はその調整ができない場合があります。
今回はGoogle広告やYahoo!広告の入札価格比率を調整できる項目と「自動入札」の場合においての条件についてご紹介します。
目次
◇自動入札とは
【自動入札】
自動入札とは、広告掲載の目的ごとに入札価格を自動的に調整される機能です。過去の実績などから、目標とする指標に合わせてキーワードの入札価格が自動的に調整されます。この機能を利用することで入札単価の設定をする際の作業が大きく軽減されます。そしてこの自動入札には、さまざまな入札戦略があります。
Google広告では、「クリック数の最大化」「目標インプレッションシェア」「目標コンバージョン単価」「目標広告費用対効果」「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン値の最大化」「拡張クリック単価」があります。
Yahoo!広告では、「クリック数の最大化」「コンバージョン数の最大化」「拡張クリック単価」「コンバージョン単価の目標値」「広告費用対効果の目標値」「ページ最上部掲載」があります。それぞれの目的に合わせて、各媒体で選択することが可能です。
【入札単価比率の調整】
広告を配信する際に想定したターゲットに対し、セグメントごとに指定して配信することが可能です。たとえばスマートフォンユーザーのみに配信したり、時間帯を午後のみの配信設定にしたりといったことができます。入札単価比率はそういったセグメントの設定で、「配信する」「除外する」といった0か100の選択ではなく、あくまでも比率を調整する設定となります。ほかの配信地域よりも配信を少し強化したい地域や効果の良い時間帯の配信を強化するなど、それぞれのセグメントで基準となる入札単価から「+20%」や「-20%」と比率で入札単価を調整する機能となります。とても便利な機能ですが、自動入札を利用している場合はその入札戦略によって調整が可能な場合と不可の場合があります。いくつかのセグメントをご紹介します。
◇デバイス別
【調整について】
WEB広告を閲覧できるパソコン、タブレット、スマートフォンの3種のデバイスの配信設定を指定できるセグメントです。デバイスごとに何%引き上げるか、引き下げるかといった調整が可能です。
Google広告、Yahoo!広告ともに、キャンペーンもしくは広告グループごとにそれぞれを調整することができます。そして、両媒体とも-100%~+900%の範囲で入札価格比率の調整が可能です。
【自動入札を利用している場合】
自動入札を利用している場合、デバイス別の入札単価比率の調整は入札戦略によって利用できる項目や調整幅が限定されます。
Google媒体では、入札戦略が「クリック数の最大化」と「目標コンバージョン単価」の場合のみ調整が可能です。ただし「目標コンバージョン単価」を選択している際に、入札価格比率を変更すると目標が調整されるため注意しましょう。そのほかの入札戦略を選択している場合、基本的に入札価格比率を使用することはできません。しかしながら入札戦略「目標費用対効果」「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン値の最大化」「目標インプレッションシェア」を使用している場合、「-100%」の調整のみ有効となり、設定した媒体への広告配信はされません。
Yahoo媒体では入札戦略「クリック数の最大化」と「コンバージョン単価の目標値」の場合のみ調整が可能です。そのほかの入札戦略を選択している場合、基本的に入札価格比率を使用することはできません。しかしながら「コンバージョン数の最大化」「広告費用対効果の目標値」を選択している場合、「-100%」の調整のみ有効となり、設定した媒体への広告配信はされません。
◇地域別
【調整について】
広告配信をしたい地域を指定して、そこだけに配信するように設定することも可能です。また、配信地域ごとに入札価格比率を調整することが可能です。たとえば、ある店舗の地域限定のセールス広告であれば、その該当地域のみに配信することが可能ですし、店舗により近い地域を強化して配信するなどといったことも可能です。
Google広告ではキャンペーンごとに設定が可能です。入札価格比率は-90%~+900%の範囲で調整することが出来ます。
Yahoo!広告でも同様に、キャンペーンごとに設定でき、入札価格比率は-90%~+900%で調整が可能です。
【自動入札を利用している場合】
自動入札を利用している場合、地域別の入札単価比率の調整は入札戦略によって利用できる戦略が限られます。
Google媒体では入札戦略「クリック数の最大化」のみ調整が可能です。それ以外では地域ごとに比率を調整することは出来ません。デバイス別では可能だった「-100%」の引き下げの設定も不可です。
Yahoo媒体でも同様です。入札戦略「クリック数の最大化」のみ可能で、それ以外の入札戦略では比率を調整することは出来ません。そしてGoogle広告と同様に、デバイス別では可能だった「-100%」の引き下げの設定も不可です。
◇曜日・時間帯
【調整について】
特定の曜日や時間帯を指定して広告を配信することができます。広告配信したい商品やサービスの特徴に合わせて、月曜日のみ配信する、夜の時間帯は停止するなどが可能です。また入札価格比率を調整することで、たとえば休日のみ配信を強化したいなどの調整が可能となります。
Google広告ではキャンペーンごとに設定が可能です。入札価格比率は-90%~+900%の範囲で調整することが出来ます。
Yahoo!広告でも同様に、キャンペーンごとに設定でき、入札価格比率は-90%~+900%で調整が可能です。
【自動入札を利用している場合】
自動入札を利用している場合、曜日・時間帯別の入札単価比率の調整は入札戦略によって利用できる戦略が限られます。
Google媒体では、入札戦略「クリック数の最大化」のみ調整が可能です。それ以外の入札戦略では入札単価調整は利用することはできません。
Yahoo媒体でも同じく、入札戦略「クリック数の最大化」のみ調整が可能で、それ以外の入札戦略では比率を調整することは出来ません。そしてどちらも、デバイス別では可能だった「-100%」の引き下げの設定も不可です。
◇ユーザー属性
【入札戦略について】
性別、年齢、世帯年収といった項目で配信するユーザーを設定することができます。これはGoogle広告とYahooディスプレイ広告で使用できる機能で、Yahooのリスティング広告では使用することが出来ません。Google広告とYahooディスプレイ広告ともに、広告グループごとに設定可能です。
Google広告では、入札価格比率は-90%~+900%で調整が可能です。
Yahooディスプレイ広告では、入札価格比率は-90~+100%で調整が可能です。
【自動入札を利用している場合】
自動入札を利用している場合、ユーザー属性の入札単価比率の調整は入札戦略によって利用できる戦略が限られます。
Google媒体では、入札戦略「クリック数の最大化」のみ調整が可能です。それ以外の入札戦略では入札単価調整は利用することはできません。
Yahooディスプレイ広告では、入札戦略「クリック数の最大化」のみ可能で、それ以外の入札戦略では比率を調整することは出来ません。そしてどちらも、デバイス別では可能だった「-100%」の引き下げの設定も不可です。
◇まとめ
いかがでしたでしょうか。
広告配信の目的に合わせてより良い運用を自動で行ってくれる自動入札の機能も、より効果の良いところを部分的に強化して配信できる入札単価比率調整の機能も、広告運用の際にはとても便利です。しかしながら併用して使うには条件があるため、自身がどのように広告を運用していきたいかをしっかりと考え、使用していく機能を選択していく必要があります。便利な機能を使いこなすためにも知識を身に着けて、効果的に使用してください。
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