広告費の最適配分はどう考えるべきか?実務目線で考えるGoogle・Meta・Yahooの役割

「新しい媒体を試したいが、予算をどこから削ればいいかわからない」
「Google検索広告は好調だが、これ以上予算を増やしても獲得の上積みは難しそう」
運用型広告において、予算配分は常に運用者の悩みの種です。
各媒体が自動化機能を強化し、スマート自動入札や機械学習が高度化している今、CPA(獲得単価)だけを基準に投資判断をしていると、CPAの改善が頭打ちになってしまうケースも少なくありません。
複数媒体を運用していく上で今、求められているのは、「フルファネルでの媒体ポートフォリオの設計」だとコンバージョンアドは考えます。
この記事では、Google・Meta・Yahooそれぞれの役割と、フェーズに応じた理想的な予算配分の考え方を実務目線で解説していきたいと思います。
目次
なぜ、CPAばかりを見てはいけないのか?
運用型広告において、CPA(獲得単価)は非常に重要な指標です。
広告費をいくら使い、何件のコンバージョンを獲得できたのかを示すため、日々の運用判断やレポーティングにおいて最も頻繁に使われる指標と言えるでしょう。
しかし、ここで一度考えなければいけないことがあります。
それは、CPAはあくまで広告管理画面上の指標でしかないという点です。
広告の管理画面で確認できるCPAは、目標に設定したコンバージョンに対する単価です。
つまり、そのコンバージョンが最終的に事業の売上や利益にどれだけ貢献しているかまでは、基本的には管理画面だけでは判断できません。
例えば、BtoB商材や高単価商材でよくあるケースとして、「資料請求」や「お問い合わせ」をコンバージョンとして設定している案件があります。
この場合、管理画面上では
・CPA:5,000円
・CV数:100件
といったように、一見すると非常に良い成果に見えることがあります。
しかし、その後の営業プロセスを含めてみた場合に、評価が変わるケースもあります。
・資料請求の質が低い
・それにより、商談に進まない、成約に繋がらない
といった状況が起きているケースも珍しくありません。
仮に、資料請求100件のうち成約が1件しか出ていないのであれば、
実質的な成約CPAは50万円になります。
逆に、管理画面上のCPAは1万円と高く見えたとしても、資料請求の質が高く、10件に1件成約するのであれば、実質的な成約CPAは10万円になります。
この場合、管理画面上のCPAだけを見ると前者の方が良いように見えますが、実際に事業に貢献しているのは後者の広告運用です。
つまり、広告運用において本当に重要なのは、「管理画面上のCPA」ではなく、その広告投資が事業に売上や利益をもたらしているのかどうか、という視点です。
ここで重要になるのが、LTV(顧客生涯価値)という考え方です。
LTVとは、1人の顧客が取引を開始してから終了するまでの間に、企業にもたらす売上や利益の総額を指します。
例えば、サブスクリプション型サービスやリピート通販、継続契約型のBtoBサービスといったビジネスでは、初回の契約や購入だけでなく、その後の継続利用によって大きな売上が生まれるケースが多くあります。
このようなビジネスにおいては、「初回CPAが安いかどうか」よりも、
・継続率はどうか
・顧客単価はどうか
・最終的な利益はどうか
といった観点を含めた、LTVベースの投資判断が重要になります。
もちろん、CPAが重要な指標であることは間違いありません。
広告運用においてコスト効率を把握するためには、CPAは欠かせない指標です。
しかし、CPAはあくまで途中指標であり、最終的な評価軸は事業への貢献度であるべきです。
そのため、広告の投資判断を行う際には、
・管理画面上のCPA
・その後の成約率
・売上、利益
・LTV
といった指標を総合的に見ながら、CPAだけにとらわれない広告投資の判断を行っていくことが重要です。
広告運用の目的は、CPAを下げることではなく、広告を通じて、事業に売上と利益をもたらすことです。
その視点を持つことが、媒体予算の最適配分や、長期的な事業成長に繋がっていきます。
主要3媒体の役割と得意領域を把握する

LTV等を総合的に見ていくことが重要であることを前提に、次は実際にどのような媒体に対して予算を投下していくべきなのかを考えていく必要があります。
そこで、最低限抑えておきたいポイントとしては、運用型広告における主要3媒体の役割と得意領域です。
ここでいう、主要3媒体とはGoogle広告(検索広告)、Yahoo!広告(検索広告)、Meta広告です。
1.Google広告(検索広告)
まずは、Google広告です。
運用型広告を実施している広告主様の多くが利用している媒体にあげられます。
Google広告の得意領域は、主に顕在層に対するアプローチです。
そのため、Google広告は顕在層の刈り取りが役割になります。
また、
・悩みやニーズが明確なユーザーに対しての配信
・社名や商品名等、具体的なキーワードを想起しているユーザーに対しての配信
といった配信はもちろん、
・インテントマッチで広範囲を網羅可能
・P-MAXでシグナル活用型配信(ディスプレイやYouTube面にも配信されるため、厳密に検索広告ではない)
上記のような配信手法を活用すれば、自分たちが想定していないものの自分たちのサービスに興味があるユーザーに対しての配信も行うことができ、幅広いユーザー層に対してアプローチすることができます。
ただし注意点として、検索ボリューム以上には伸びない点、市場がとてもニッチな商材・悩みやニーズの言語化が難しい商材の場合には活用が難しいといった点があげられ、すでにある需要を取り合う構造のため、拡張性には限界があります。
2.Yahoo!広告(検索広告)
次に、Yahoo!広告です。
Yahoo!広告の得意領域は、Googleと同様に主に顕在層に対するアプローチです。
Google広告のほうが、成果があがりやすいといった傾向が高いため、Google広告の補完的な役割で使用されることが多いです。
また、Google広告と比べると、特徴に若干の違いがあるとされています。
例えば、
・年齢層がやや高め
・BtoBや金融、保険、シニア商材と相性が良いケースが多い
といった特徴があるとされています。
Google広告を配信しつつ、補完的な役割で活用されることが多い媒体です。
3.Meta広告
最後にMeta広告です。
Google広告やYahoo!広告とは異なり、検索広告ではなくバナーを活用したディスプレイ広告の1種です。
FacebookやInstagramといったSNSに対して配信することができるため、SNS広告ともいわれます。
Meta広告の得意領域は、潜在層への需要喚起や準顕在層へのアプローチです。
検索広告がプル型(検索された際に表示)の広告とすると、Meta広告はプッシュ型(ユーザーの行動に関わらず表示)の広告といえます。
受動的なユーザーに対して、こちらから能動的に広告を配信することができるため、ユーザー自身がまだ認識していない悩みや課題を喚起することが可能です。
また、クリエイティブや配信手法によっては、社名やサービス名の認知も行うことができます。これにより、社名やサービス名を含む検索の母数を増やすことができることもあります。
潜在層寄りのユーザーに対して配信を行うことになるため、CPAは検索広告より高くなりやすいという傾向がありますが、近年はターゲティングの精度もあがってきており、ターゲットセグメントやクリエイティブの改善によって検索広告にも劣らないCPAでコンバージョンを促すこともできるようになってきています。
検索広告は配信しているもののCPAが高止まりになってしまっている、クリック数やコンバージョンが増やしにくく、その他の媒体でコンバージョンを増やしていきたいといった際に活用されることが多い媒体です。
この3媒体は、どれか1つを配信していれば良いというものでもなければ、全て配信している状態が良いというわけでもありません。
顕在層の刈取りと需要の喚起・創出といった役割が異なるため、状況に合わせて活用の有無、予算割振りを考えていくのが良いでしょう。
実務で使える「予算配分」の考え方
状況に合わせて活用の有無、予算割振りを考えていくのが良いと記載しましたが、この状況というのは、事業フェーズや商品特性といった複数の切り口が考えられます。
1.事業フェーズ別の考え方

リリース直後
リリース直後に関しては、どの程度のCPAでコンバージョンが発生するのか、商談率や契約率といったその後の動きに関しても不明瞭な部分が多いと考えられます。
そのため、このフェーズにおいては、まずはしっかりと顕在的な需要を刈り取っていき、データを集めるといったことが重要になってくるでしょう。
そのため、予算割り振りとしては、顕在層ユーザーへのアプローチが得意な検索広告を中心にしていくのが望ましいでしょう。
拡大期
検索広告において一定のコンバージョンが発生し、ある程度のデータが集まり、拡大を図っていく時期においては、引き続き検索広告による顕在層ユーザーの刈取りは行いつつ、潜在層へアプローチできるMeta広告の実施や予算投下比率の増加を検討していくべきでしょう。
理由としては、拡大を検索広告のみで行うことも悪いわけではないものの、検索広告だけで拡大を行うデメリットとしては、
・競合の広告と一緒に掲載されるため、競合の影響を受けやすい
・検索広告において配信量を増やそうとするとクリック単価が高くなり、CPAが悪化しやすい
・検索量によっては拡大に頭打ちがきてしまう
といったことがあげられます。
そのため、この段階では、検索広告に対して予算の多くを配分しつつ、Meta広告等、検索広告以外の媒体においても予算を割当て、配信を行い、データを集めておくことが望ましいと考えられます。
安定期
このフェーズまで到達していた場合には、CPAだけでなく顧客のデータも溜まり、LTVの確認などもできているようになっているかと思います。
この記事の冒頭にも記載しましたが、CPAだけでなく、LTVの観点における予算配分や媒体毎のROAS等、様々な指標において各媒体を評価し、予算配分を決めていくのが望ましいといえます。
2.商品特性における考え方
検討期間が長い商材
例として、下記のような商材・サービスがあげられます。
・BtoB商材
・不動産
・高額商材
このような商材の場合、ユーザーの検討期間は長くなることが想定されます。
そのため、情報収集段階において、何回も検索行動を起こす、検索行動以外にも口コミやレビュー等において情報を集めるといった消費者行動を起こすことが考えられます。
このような場合、検索広告だけでは取りきれない、または取りきれたとしてもCPAが高くなるといったことが起こり得ます。
そういった際には、検索行動を起こしていない状態でアプローチできるプッシュ型の広告を用い、タッチポイントを増設してコンバージョンに導く設計が重要になってきます。
そのため、検索広告だけではなく、早い段階からMeta等のプッシュ型の媒体に予算を配分していくほうが良い場合もあります。
コンプレックス商材
例として、下記のような商材・サービスがあげられます。
・美容コスメ
・美容医療
・健康サプリ
このような商材の場合、検索広告よりディスプレイ広告のほうが、相性が良いケースも多いです。
コンプレックス商材の場合、悩みを持っているものの、検索するほどではないといったフェーズのユーザーが多くいます。
そのようなユーザーに対しては、プル型の広告のみでは接点が少なくなりがちです。そのため、こちらからアプローチできるプッシュ型の広告を多く活用していくほうが好ましいといえることから、Meta等のプッシュ型の媒体に予算を多めに配分していくほうが良い場合もあります。
媒体をまたいだ相乗効果の事例
弊社でも主要3媒体を活用することで相乗効果が出たわかりやすい事例がありますので、そちらを紹介します。
事例1:業務用美容機器販売

この事例では、Metaの配信によって広告経由のみならずSEOやLINE経由でのお問い合わせ数を増やすことができたという事例になります。
Metaに関しては、潜在層~準顕在層へのアプローチを得意としているものの、顕在層への配信も含まれておりMeta広告から直接コンバージョンの獲得自体は行えていました。
しかし、更に注目する点としては、Meta広告を閲覧した後、他の経路でコンバージョンが発生している動きが見受けられたことです。
Meta広告には主にコンバージョンの計測方法が2種類あり、1つはクリックスルーコンバージョンを計測する方法、もう1つはビュースルーコンバージョンを含んだコンバージョンを計測する方法です。
クリックスルーコンバージョンとは広告へ流入した後コンバージョンしたアクションを計測したもの。ビュースルーコンバージョンは、広告が表示されたものの広告へは流入せず、その後自然検索等でコンバージョンしたアクションを計測したものとなります。
この事例のMeta広告ではクリックスルーコンバージョン、ビュースルーコンバージョンどちらも計測されており、ビュースルーコンバージョンが計測された日のデータを照らし合わせるとYahoo!やGoogleといった検索広告にコンバージョンが計測されているケースや、自然検索経由でコンバージョンが発生しているといった動きが見受けられており、Meta広告による認知が獲得に影響を与えている可能性があると考えられるような状況も観測できていました。
また、Meta広告の配信開始前と配信後の社名の自然検索数を比較してみると、配信後に増加傾向が見受けられていた点もMeta広告が認知に良い影響を与えていると考えられ、Meta広告を配信したことにより他媒体や他チャネルとの相乗効果により全体のコンバージョンを増やすことができたと考えられる事例となっています。
事例2:健康サプリ販売

次に紹介するのは、健康サプリ販売の案件の事例です。
この事例に関しては、Yahoo!とGoogle、Meta広告を組み合わせることで全体のCPAを調整しながら配信を最大化し、獲得数を最大化することができたといったものになります。
こちらの事例では、Yahoo!・Googleにおいては、CPAは安価で獲得できるものの獲得のボリュームが増やしにくい、反対にMeta広告においては、検索広告ほどCPAは安価ではないものの獲得のボリュームは増やしやすいといった特徴がありました。
このような場合、媒体それぞれで一律のCPAを下回るよう運用するのではなく、あくまでCPAは全体の目標とし、できる限り獲得の機会損失を生まないよう一部の媒体では許容CPAをあげ、別の媒体で全体のCPAを押し下げるといったような動きを取ることができれば、獲得の観点においての機会損失を防ぐことができ、獲得数を最大化することができます。
このように主要3媒体を組み合わせることでそれぞれの媒体の良さが組み合わさり全体成果の向上に繋がるケースは多いです。
現在、検索広告のみ配信しているものの獲得のボリュームが増やせないといったお悩みをお持ちの方は、複数の広告媒体で運用することで相乗効果が期待でき、獲得数を最大化させていける可能性が大いにあるため、試してみてはどうでしょうか。
事業評価まで見据えた予算配分を

ここまで、広告費の最適配分を考える上での重要な視点として、CPAだけでは判断できない要素や主要媒体の特徴や予算配分についての考え方について解説してきましたが、やはり、最も重要なポイントとしては、広告運用の本来の目的は、CPAを下げることではなく、広告投資によって事業の売上や利益を生み出すことであるといえます。
今回の内容は、汎用性は高いものの、あくまで一般論的な考え方に近い内容になっているため、必ずしも全ての商材・サービスに当てはまらないこともあります。
現状の予算配分が適切なのかわからない、今後、どのように媒体展開をしていったら良いのかわからないといったお悩みがございましたら、コンバージョンアドでは、無料の広告・LP診断を行っていますので、ぜひ一度ご相談ください。
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