CPAが高騰した時に優先して見るべき指標とCPA改善ステップをプロが解説

「先月までは良かったのに、急にCPAが悪化した…」
「入札を下げているのに、なぜかCPAが下がらない…」
月額予算100〜300万円規模のWEB広告を運用している企業様から、このようなご相談をよくいただきます。
また、CPAが高騰した際の運用担当者や代理店の対応をお伺いすると、その多くが「入札単価(CPC)」を下げるという対応を行っていることが多いようです。ただし、単純な入札単価調整では一時しのぎになってしまうため、根本的なCPA改善に至ることはないと考えてよいでしょう。
むしろ、単純な入札調整だけに終始してしまうと
・表示機会が減ってしまう
・自動入札の学習が不安定になる
・良質な流入ユーザーまで少なくなってしまう
といった悪循環に陥ってしまい、配信ボリュームの減少等に繋がってしまう可能性も大いにあります。
なぜなら、CPA高騰の本質的な原因は「入札」だけではなく、アカウント構造の崩れや広告品質、流入品質の悪化にあることが多いからです。
今回のこの記事では、表面的な数字に惑わされず、
・CPAが悪化したときに、まず確認すべきポイント
・表面的な改善で終わらせないための判断軸
・明日から実行できる具体的な3ステップ改善法
を、広告主目線でわかりやすく解説します。
目次
CPAが高騰したときにプロが確認しているポイントとは?

管理画面上のCPAが高騰したというのは、あくまで結果の指標です。
改善に必要なのは根本原因の究明とその対策になりますが、プロが確認しているポイントには下記のようなものがあげられます。
・CTRとCVRの変動
・インプレッションシェア(IS)と損失率
・検索クエリ、プレースメントの変化
・デバイス/地域/時間帯の偏り
・コンバージョン後の動向
CPA高騰の要因の多くは、一部の質の悪い流入が平均値を押し上げているケースなど構造的な問題になっていることが考えられます。そのため、どこで対策を講じるかをいち早く把握するために上記のポイントを1つずつ確認していくことが重要となってきます。
高騰してしまったCPAを改善するための3ステップ

STEP1:流入の質に対する現状把握
CPA高騰の要因の多くは、一部の質の悪い流入が平均値を押し上げているケースが多いと記載しましたが、現状の流入の質がどうなのかについてはいち早く把握する必要があります。
・キーワードの出方の変化
・検索クエリ、プレースメントの変化
・デバイス/地域/時間帯の偏り
まずは上記のようなポイントを確認するようにしましょう。
特にキーワードの出方の変化については、特にインテントマッチのマッチタイプを活用しているアカウントでは要注意です。
昨今、自動学習や自動最適化の精度があがっている中でインテントマッチによる拡張範囲も広くなってきていて、CPA高騰時には完全一致やフレーズ一致といった流入の質が高いキーワードよりも流入の質が低くなりやすいインテントマッチキーワードの表示回数や流入が多くなっている可能性があります。
また、これにあわせて確認しておきたいポイントとしては検索クエリーの傾向です。
あるインテントマッチキーワードによるCPAが高騰していた場合に、そのキーワードを停止するといった対応を取ってしまいたくなるかと思いますが、インテントマッチキーワードに関しては、拡張性を持たせ、運用担当者が思いつかないような検索クエリーからコンバージョンが獲得できるという大きなメリットもあります。
そのため、安易に停止するという対策をする前に、そのインテントマッチキーワードが拾っている検索クエリーにどういったものがあるのか、どのような検索クエリーがCPA高騰の要因をなっているのかを確認するようにしましょう。
STEP2:流入の質を高める対策
状況が把握できたら、次は実際に流入の質を高める対策を講じていきます。
流入の質を高める対策の一例には下記のようなものがあげられます。
・インプレッションシェア(IS)損失率の抑制
・検索クエリとプレースメントの徹底除外
・広告グループの細分化
CPAが高騰した際に、単純な入札単価調整に終始するとかえって流入の質を下げてしまうといったことに関しては触れましたが、これを防ぐために対策しておきたいポイントが「インプレッションシェア(IS)損失率の抑制」になります。
そもそも「インプレッションシェア損失率」とは何かといいますと、本来表示できたはずの機会を何らかの理由で失った割合のことを指します。
インプレッションシェア損失率が高まる要因の多くは、1日当たりの予算が少ないことや広告ランク等が影響していることが多いですが、単純な入札調整により入札を弱めてしまった場合には広告ランクが下がってしまうことでインプレッションシェア損失率が高くなってしまうといったことになります。
そして、このインプレッションシェア損失率は、検索キーワード単位で見ることができます。(検索クエリー単位ではインプレッションシェアの指標は見ることができず、上位インプレッションシェア、最上位インプレッションシェアといった指標となります。)
ここで留意しておきたいポイントとしては、コンバージョンに繋がっているキーワードや検索クエリーのインプレッションシェアをしっかり出すといったことです。
単純な入札調整では、コンバージョンに繋がっているキーワードも、コンバージョンに繋がっていないキーワードも一律でその調整がかかってしまうことになるため、CPAが高騰し入札調整を行った場合、CPAの高騰要因である成果の悪いキーワードを基準にし調整がかかってしまうケースが多いと思いますが、このような場合、コンバージョンに繋がりやすいキーワードのインプレッションシェア損失率が高くなってしまっているリスクがあるため、この辺りの対策を講じていくのが望ましいといえます。
そして、そういったコンバージョンに繋がりやすい検索クエリに対してしっかりとインプレッションシェアを出せるようにしていくために重要なのが検索クエリの徹底除外となります。(ディスプレイ広告の場合は、プレースメントの徹底除外になります。)
検索クエリの内訳を見ていくとコンバージョンに繋がっているもの、そうではないものがあります。コンバージョンに繋がりにくい検索クエリを除外せずにインプレッションシェアを高めるために入札を強めてしまうとコンバージョンに繋がりにくい検索クエリからの流入が増えてしまい更にCPAが悪化するといったことにもなりかねません。そのためにもコンバージョンに繋がりにくい検索クエリーの除外を行っていくことが重要です。
また、1キャンペーン、1広告グループといった構成で運用を行っている場合は、構成を変えることで対策を打ちやすくなることがあります。
機械学習の観点でいえば、1つのキャンペーンにデータが集中することで学習がかかりやすいといった利点はあるものの、状況によっては広告グループを細分化することでCPAの改善に繋がる場合もあります。
例えば、先ほどのインプレッションシェア損失率の向上についても完全一致やフレーズ一致、インテントマッチといった様々なマッチタイプのキーワードにて配信を行っていた場合、どうしてもインテントマッチの配信量が多くなってしまいコンバージョンに繋がりやすい完全一致やフレーズ一致のキーワードのインプレッションシェア損失率が高いままといったことも起こり得ます。 そういった場合等に広告グループを細分化することで対策を行えるようになりコンバージョンに繋がりやすいキーワードでの配信量を増やすことができCPAが改善するといったこともあります。また、広告グループを細分化するメリットはもう1つあります。これは次のSTEP3で説明します。
STEP3:質を高めた流入に対して適切な情報を届ける
広告グループを細分化することでCPAの改善がしやすくなる理由としてもう1つあげられる点は、広告文やLP(ランディングページ)の出し分けを行うことができることがあげられます。
キーワードの選定や検索クエリーの徹底除外を行い、流入の質を高めることができた状況でもコンバージョンに繋がってこないといった場合には、ランディングページで適切な情報を届けることができているかを確認しましょう。
例えば、既に比較検討している状態のユーザーとこれから情報収集をしていこうとしているユーザーとでランディングページに求めている情報が違います。
このような場合、1つのランディングページで配信を行うよりもユーザーのニーズにあわせてランディングページを出し分けることでCVRを高めることができ、結果としてCPAが改善できるといったこともあるため、流入の質は高いもののコンバージョンが発生しないといった場合にはランディングページの見直しや出し分け等を検討するのも良いでしょう。
ケーススタディ:CPAを削減に結びついた改善事例
ここからは、コンバージョンアドの運用支援にて流入の質をあげCPAの削減に結びついた事例のご紹介です。
事例1:薄毛治療クリニック

課題:クリニックへの来院予約単価が高騰している
解決策:検索クエリの徹底除外、配信地域の調整
結果:CPA 約60%抑制
こちらのクリニックでは、CPA改善のため「検索クエリの徹底除外」と「配信地域の調整」を実施し、約60%のCPA改善ができた事例となります。
コンバージョンアドにご相談いただく前には月間数千万円の運用を行っていたものの、検索クエリの除外はあまり頻繁には行われていないようでした。そこで、コンバージョンアドでは過去6ヵ月の検索クエリの分析を行い、コンバージョンに繋がっていない検索クエリを徹底的に洗い出しました。
実際にこの検索クエリを洗い出しを徹底して抽出してみたところ、実に1200万円相当のご予算がコンバージョンに繋がらない検索クエリに割かれていたことが判明し、広告予算の投資対効果改善に貢献できたと思っています。
また、クリニックへの集客を行うにあたり、配信地域の設定を行っておりました。ここでも流入の質を高めるためにコンバージョンが発生している地域とそうではない地域の分析を行い、コンバージョンが発生している地域へご予算を割り当てられるよう配信地域の調整を行いました。大まかには以上のような対策を通じ、結果的にCPAを60%程度抑制することに成功しました。
事例2:認知症保険

課題:WEB申込みCPAが高い状況が継続
解決策:アカウント構成の変更(指名キーワード、一般キーワードの出し分け)
結果:CPA 約49%抑制、コンバージョン 約4倍
こちらの企業様では、CPA改善のため、アカウント構成の変更を実施しCPAの改善ができた事例となります。コンバージョンアドにご相談いただく前は機械学習の観点から推奨されていた1キャンペーン、1広告グループにて配信を行っておりました。
しかし、該当の構成では一般的にCPAが安価になりやすい指名関連のキーワードのインプレッションシェア損失率が高くなってしまっておりました。そこでアカウント構成を変更したことで、指名関連のキーワードのインプレッション損失率を減らし、CPA改善につなげることができました。
また、アカウント構成を変更したことで指名関連のキーワード以外のキーワードでも効率化が進み、CPAが改善できただけでなくコンバージョン数そのものも純増し、CPAの改善とコンバージョン数の増加どちらも行うことができました。
事例3:マンション管理会社

課題:一般キーワードにおけるCPAが高い状況
解決策:アカウント構成の変更(一部キーワードのインプレッションシェア拡大)
結果:CPA 約55%抑制、コンバージョン数 約4倍
こちらの企業では、指名キーワードにおけるコンバージョンの獲得及びCPAは好調な状況であったものの、一般キーワードにおけるコンバージョンの獲得がうまくできておらずCPAが高い状況であったことが課題でした。
キーワードの分析を進めていく中で、特定の語句が入ったキーワードにおいてコンバージョンが獲得できており比較的CPAが安価な傾向であることがわかりました。
しかし、そのときの構成による入札調整では該当のキーワードのインプレッションシェアを高めることが難しい状況となっていたため、アカウント構成を変更し、該当のキーワードにおけるインプレッションシェアを高められるように対策を行いました。
結果として課題であった一般キーワードにおけるコンバージョンが約4倍になりCPAも約54%改善に貢献することができています。
CPA改善に関するまとめ
ここまでのお話で、入札調整だけでは持続的改善は実現しにくいということはご理解いただけたかと思います。CPAそのものを操作することは難しいですが、構造を見直すことでコントロールすることができるといった側面もあります。
もし、現在の運用の中で
・改善策が単純な入札調整に終始してしまっている
・CPA高騰要因の分析が行えていない、あたりをつけられていない
・改善ロジックが見えてこない
このような課題をお持ちの場合は、アカウントの構造診断をおすすめします。
まずは、今の運用がどこで詰まっているのかを可視化することで実施すべき改善施策が見えてきます。
コンバージョンアドでは、無料の広告・LP診断を行っています。
今の広告運用に少しでも違和感やお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
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