Googleが新たに推奨するMUGENプロジェクトとは?
リスティング広告を長く担当している方ですと、広告配信のターゲティング精度がどんどん上がってくる実感や、いつの間にか運用スタイルが過去のものになっていたなど、その運用スタイルの変遷をふと感じることがあるのではないかと思います。
そんな、Googleのリスティング広告を運用されている方でも、
Googleが「今」、推奨しているプロジェクトの詳細まで理解しているという方は、
結構少ないのではないでしょうか。
「Hagakure?Gorin?、時々アカウント担当者が言うけどなんのこと?」
「最新の広告運用のトレンドを知りたい!」
「自分の運用知識がアップデートされているのか不安でしょうがない・・・」
というような疑問やお悩みを持つ広告運用の担当者の方のために、
今回はGoogleが推奨している
MUGEN
というプロジェクトを紹介させていただきたいと思います。
このプロジェクトの中には最新の機能を広告運用に活用していくことで、
運用が簡易化、効率化していく全体図のようなものが語られています。
広告運用のトレンドを知りたい方は是非参考にしてみてください。
目次
1.ハガクレ、ゴリン、3AからのMUGENという流れで見るトレンド
Googleはこれまでにも〇〇プロジェクトという形で様々なアカウント構成・運用方法を推奨してきました。
ハガクレ、ゴリン、3Aなど、広告運用に携わっている方であれば、一度はセミナーなどで聞いたことがあるかもしれません。
これらのプロジェクトは、その時の最新の推奨方法をまとめているものですので、
どれか一つを対応すればそれで終わりというものではなく、
そのあとからもどんどんと新しい機能が追加されたり
推奨設定が変わっていったりしていきます。
ですので、今回紹介しているMUGENも数年後には過去の遺物となっていることは間違いないでしょう・・・
しかし改めてこれらのプロジェクトを振り返ってみると、
Google広告のトレンドがどこへ向かっているのかが見えてきます。
それは
『如何に機械学習機能を使って運用を効率化・最大化させていくか』
ということです。
この大枠が捉えられていれば、今の運用で何が不利で、何が有益なのかが見えてきます。
それではこれまでの流れをざっと振り返ってみましょう。
・Hagakureとは
Hagakureとは、
一言でいうと細かいキーワードやマッチタイプを一つの広告グループにまとめる。
ということです。
今ではHagakure対応をしていないアカウント構成で運用していたりすると、
代理店のリプレイスリスクにもなり得ますので、
Hagakure構造でアカウント構成をすることが当たり前になっています。
とは言え、このHagakureが本来どのような目的のために導入されているのかまで理解して運用されている方は実は少ないのではないでしょうか。
ただ単に、広告グループをまとめるだけでOKと考えているだけでは、その後の広告運用の改善は難しくなっていくでしょう。
Hagakureでアカウント構成を進める目的は、突き詰めれば
『如何に機械学習機能を使って運用を効率化・最大化させていくか』
というところにたどり着きますので、その意図をしっかりと理解しておくことでその後の運用改善のスピードが飛躍的にアップしていくはずです。
Hagakureが登場する前は、
広告グループやマッチタイプを細分化してキーワードを数多く登録していくスタイルのアカウント構成が主流でした。キーワードやマッチタイプごとに入札単価をコントロールし、効率化を進めていくものです。
しかしこの方法では、手動調整での工数が多くかかってしまい、キーワードの管理もどんどん煩雑化してしまいます。
そこで、機械化による自動入札機能を進めていくことになるのですが、ここで問題になるのが、
「判断材料となる元データ(母数)の確保」
となります。
一般的にマッチタイプはピラミッド型の構成をしています。
完全一致では表示回数が少なく絞り込み部分一致、部分一致となるにつれ表示回数が多くなります。またキーワードによっては、検索される回数の多いものや、全く検索されないようなものも存在します。このような環境で広告グループを細分化してしまうと、一つ一つ広告グループでの集積データの母数の確保が難しくなり、自動化しようとしても判断が難しくなってしまいます。
そこで、細分化されたキーワードやマッチタイプを纏めていくアカウント構成が推奨されることになったのです。
これにより、表示回数が少ないキーワードに紐づいている広告に対しても、表示回数の多いキーワードの検索で母数を補うことができるようになるため、機械化による自動入札機能を進めていくことができるようになるのです。
・Hagakureを基本としたGORINと3A
Hagakureが一般的に知られるようになってからGORINと3Aというプロジェクトが登場しました。
特に3AではHagakureにして集積しやすくなったデータをより効率的に活用していくためにはという点を
- Audience(オーディエンス)
- Automation(オートメーション:自動化)
- Attribution(アトリビューション)
という3つの視点にまとめています。
この中でも特に重要なのがAttributionに関する項目ではないでしょうか。
アトリビューションとは、コンバージョンに至るまでの過程を分析し、それぞれの接点での貢献度に基づきコンバージョンの価値を再配分することです。
これまで、コンバージョンの多くはラストクリックによって計測されてきました。
最後にクリックされたキーワードにコンバージョンが集計されるため、
その手前でどのようなキーワードがクリックされ、最終的にゴールまで誘導してきたのかが分かりませんでした。
3Aで言われているアトリビューションでは、ラストクリック以外の広告クリックにもコンバージョンの価値を再配分することが推奨されています。アトリビューションモデルには、ファーストクリックモデル、接点ベースモデル、減衰モデルなどがあり、ビジネスモデルに合わせて選択することが可能となっています。
コンバージョンの価値をアトリビューション設定で割り振ることにより、
コンバージョンまでの経路のうちで、これまで見落とされてきたキーワードなどでも最適化をかけていくことができるようになるのです。
2.MUGENによる拡張最適化
これまでの推奨されている運用方法を実践していくと、効率的にCPAを下げていくことができます。
しかも手動での運用に比べて、運用調整にかかる工数を圧倒的に削減しながらです。
しかし、効率の良いところに、効率の良いクリエイティブだけを配信するようになると当然のように獲得は縮小していってしまいます。
そこで必要なのが《拡張》という考え方です。
これまでの広告運用が効率の良いところにのみ配信を寄せていく
《縮小最適化》
とするなら、
MUGENのめざすところは
《拡張最適化》
です。
部分一致の登録や、レスポンシブ検索広告の活用などを進めることで、
これまでの効率を維持しながら幅広いユーザーへ拡張をしていくことができます。
また、youtube動画広告などを活用することで、顕在層だけでなく潜在層にもアプローチすることができます。
MUGENプロジェクトでは、これまでの顕在層だけの最適化だけでなく、
潜在層へ向けた認知のファネルまでも視野に入れた最適化するための運用方法がまとめられています。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はGoogleが推奨しているアカウント構成MUGENについてまとめさせていただきました。
Googleではこれまで、Hagakure、GORIN、3Aと様々な呼び名で広告運用の最適化を奨めてきました。
MUGENもこの流れを汲む運用方法で、これらの基礎を理解していないとうまく活用することができません。
これらのプロジェクトのベースになっているのが
『如何に機械学習機能を使って運用を効率化・最大化させていくか』
という考え方です。
このことを理解していくことで、今後の広告運用のトレンドもますます理解しやすくなるでしょう。
それでも、最近の広告運用のトレンドに不安がある方は是非ご相談いただければと思います。
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