リスティング広告はAIによる運用が最適?
リスティング広告をはじめ多くの運用型広告では、AIによる機械的・自動的な運用が進んできています。近年では、広告媒体が《機械学習を活用した自動運用》を推奨していることもあり、手動で広告運用をしていくことが、かえって不利になっていくことも少なくありません。特に、資料請求や購入完了など、ウェブ上でのコンバージョンを目的とする広告運用では、《機械学習を活用した自動運用》の利用が効果に直結するため、機械による自動運用が欠かせなくなってきています。
とはいえ、
「機械による運用なんて効果が悪そうで不安・・・」
「自動運用ということはもう広告運用の仕事はしなくていいの!?」
「複雑で難しそうなので自動運用をマスターできる自信がない・・・」
など、リスティング広告の運用でAI(機械学習)を導入するかどうか悩みを抱えている方も多いことかと思います。
今回はそんなリスティング広告の運用とAIについてお悩みの方のために、AIによる運用がどのようなものなのかをご紹介させていただきたいと思います。
リスティング広告のこれからの運用や、《機械学習を活用した自動運用》に不安を抱えている方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
1.リスティング広告におけるAI機能とは?
AI機能とは、Artificial Intelligence(人工知能)のことで、これまで人の手によって行われていた「判断」や「調整」、「再学習」などの一連の作業フローを、機械によって自動化させる機能のことになります。
近年では、様々な分野でAIが活用されてきていますが、リスティング広告やディスプレイ広告に代表される運用型広告においても、今やAI機能を活用した運用が主流となってきています。
特に、膨大な検索データを保持しているGoogleが提供するGoogle広告のAI機能は、他の媒体のそれよりも先行しているといえるでしょう。
◆これまでの運用スタイルをAIが変えた!?
運用型広告では、広告の運用目標に合わせて細かく調整をしながら配信することができます。
たとえば、リスティング広告の場合、《広告出稿するキーワード》、《掲載する広告文》、《オークションへの入札単価調整》といった基礎的な調整内容の他、《ユーザー属性》、《配信エリア》、《曜日時間帯》などの要素も加味して様々な角度から広告配信の結果を「分析」し継続的に「調整」していくことが可能です。
これまでのリスティング広告では、運用担当者による手動での細かい調整が当たり前でした。運用担当者は管理画面から細かく抽出したレポートを「分析」し、より効果を改善していくための「調整」を細かく「設定」していきます。しかし、マンパワーで対応する設定では更新頻度に限界が出てきてしまいます。
AIによる《機械学習を活用した自動運用》の登場は、これまでの運用担当者が手動で対応していた「分析」「調整」などの工数を大きく削減したといえます。特にGoogle広告ではユーザーの膨大な検索データを蓄積しており、そのユーザーの検索行動を機械により学習させ、広告運用に活用させていくことにより、より確度の高い広告配信が可能となるように、日々機能がアップデートされています。《機械学習を活用した自動運用》では、従来の作業工数の削減だけでなく、これまで扱うことのできなかった膨大なデータまで、考慮して広告運用をすることが可能となっているのです。
運用担当者にとっての広告運用の視点から見てみると、これまでの運用が「調整」に重きを置いた、いわゆる「作業」であったのに対し、AI機能を活用した自動運用ではその「作業」を機械が代わりにやってくれることになったので、より上流工程に位地する「分析」や「戦略策定」に重きを置く必要が出てきたといえるでしょう。AI機能を上手く活用していくために必要な「アカウント構成」や「ターゲティング設定」などが重要なスキルになってきたといえます。
2.AIによる自動最適化を導入すべき理由
《機械学習を活用した自動運用》では、これまでの手動調整では扱うことのできなかった、膨大なデータも加味して運用されています。この点だけでも、判断材料が多くなり、より細かい調整ができることになるので、《機械学習を活用した自動運用》を導入するべきであるといえるかと思いますが、少し細かく《機械学習を活用した自動運用》についてみていきたいと思います。
◆手動の調整よりもシグナルが多い
《機械学習を活用した自動運用》では、手動運用で調整することができた従来の調整項目よりも多くの項目をもとに、より細かい調整がされています。これらの項目は《シグナル》と呼ばれており、Google広告(リスティング広告)では、ユーザーが検索するたびに、この《シグナル》が分析され広告オークションへの参加が最適になるように入札単価が調整されていきます。
例えば、これまでの手動調整では、
【調整項目】
入札単価 100円
男性+30%
港区+50%
モバイル+20%
と設定していた場合、港区の男性が検索した場合、
200円(100円+30円+50円+20円)
で広告オークションに入札されていました。
手動による調整の場合は、“港区の男性”であれば一律に同じ入札価格となります。
一方で、《機械学習を活用した自動運用》の場合は、同じ“港区の男性”であったとしても、「検索された時間帯」・「検索語句」・「デバイスやOS」など、それ以外のユーザーのシグナルを掛け合わせ、最適な入札単価に調整されています。《機械学習を活用した自動運用》では、より多くのシグナルをもとのに入札価格を調整しているのです。
◆調整頻度が高い
《機械学習を活用した自動運用》では、その調整頻度が高いこともメリットの1つとなります。手動による調整では、1日に何度もアカウントを調整することは現実的ではありませんでしたが、《機械学習を活用した自動運用》では広告オークションのたびにリアルタイムで調整することが可能です。
手動調整では調整することのできなかったシグナルも含め、より多くのデータをもとにリアルタイムで調整ができる自動運用を活用しないことのデメリットの方が大きいといえるでしょう。
◆マーケティング全体の戦略策定に時間をさける
前述であるように、《機械学習を活用した自動運用》の登場はこれまでの運用担当者の「作業」を大きく変えたといえます。機械学習を最適に進めるためのアカウント構成ができていれば、これまでのようにキーワード単位で細かく調整することも少なくなりました。広告文に関しても、ユーザーのシグナルに合わせ最適に出し分けがされているので、出し分けなどの調整よりは、訴求内容そのものの議論が必要になってきています。
広告運用における運用担当者の単純な作業工数が削減されたことで、
・どうすれば商品をもっと知ってもらえるのか
・どうすれば商品をもっと買ってもらえるのか
といった、より上流工程のマーケティング戦略を運用担当者が考えることができるようになります。
これからの広告運用では、競合比較やユーザー分析などのマーケティング戦略の組み立てがより重要になってくるといえるでしょう。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、リスティング広告の運用で主流となりつつあるAI機能による自動運用についてまとめさせていただきました。自動運用機能の活用は、これまでの「作業的」であったリスティング広告の運用を大きく変えたといえます。
運用担当者はこれまでのように細かな調整やレポーティングの「作業」に追われることなく、「分析」や「マーケティング戦略の立案」といったより上流工程で時間を割くことができるようになりました。手動調整が主流であった時代は、作業量がその効果に直結していたといえますが、《機械学習を活用した自動運用》では、作業量よりもその機能をどの様に活用していくかという視点がより重要になってきます。
このことはリスティング広告などの運用型広告に限ったことではないでしょう。AI機能を活用し作業的な工数を削減し、より上流工程の意思決定に時間を割くことがマーケティング全体の最適化に大きく影響してきます。
皆さんも自動調整機能を活用し、これまでとは違った視点からマーケティング全体の運用効率を高めていってみてください。もし、マーケティング全体の戦略立案など運用方法に困った際は、是非お気軽にお問い合わせいただければと存じます。
-
2022.5.6広告運用
LOGICHツールについて
-
2021.9.14広告運用
【マッチタイプの仕様変更】絞り込み部分一致とフレーズ一致の今後
-
2020.8.5広告運用
リターゲット最適化への道
-
2020.3.31広告運用
バナー広告の基本的な考え方とデザインのコツ