まずはディスプレイ広告を知ろう!
ディスプレイ広告はバナー広告とも呼ばれ、皆さんがインターネットでウェブサイトを閲覧中やアプリを使用中によく目にするタイプの画像広告のことです。
最もメジャーな媒体社はGoogleとYahoo!が提供しているGoogleディスプレイネットワーク(以下:GDN)とYahoo!ディスプレイアドネットワーク(以下:YDN)になります。
ディスプレイネットワーク(アドネットワーク)とは複数のウェブサイトやブログ、アプリ内にある広告枠を一つに束ねた配信先のネットワークになります。
ディスプレイネットワークが存在することによって、広告主は一つ一つのサイトやアプリに、広告掲載を依頼しなくて済むようになります。
目次
1.バナー広告でできること
バナー広告はテキスト広告に比べ視覚的にメッセージを伝えることが可能ですので、ユーザーへの注意喚起には効果的な広告タイプといえます。
特にディスプレイ広告ではユーザーが他のサイトを閲覧している時など、ユーザーのニーズが高まっていないタイミングで広告を見せることになりますので、ユーザーに「こんな商品があったのか」と商品を認知させたり、気付いてもらうことが出来ます。
広告枠の大きさはサイトによって異なりますので、ディスプレイ広告を満遍なく配信するためには複数のサイズのバナーを登録する必要があります。
最近ではテキスト型広告とバナー広告をセットで組み合わせて、掲載先の広告枠に合わせて配信するレスポンシブバナーと呼ばれるタイプの広告の配信量が伸びています。
2.掲載先とリーチできるターゲットユーザー層
ディスプレイ広告が掲載される場所は、ウェブサイト上の広告枠やブログ、アプリ内などの広告枠になります。
また、スマートフォン向けのYahoo!のサイトトップのような、フィード型のコンテンツ内に表示される広告もディスプレイ広告によって配信されています。
・潜在的なユーザーへの配信が強い
上述のように、ディスプレイ広告では、ユーザーが「何か調べ物をしているとき」、「面白いネタを探しているとき」、「ゲームを楽しんでいるとき」など、ユーザーが何か別のことをしている際に広告表示をさせることになります。
その為、ユーザーとしては必ずしも広告主の商品やサービスに興味を持ったユーザーではないということになります。しかし逆に言うと、広告主の商品やサービスを知らないが、将来的に顧客になる可能性のあるユーザーにアプローチできるということになります。
このことから、ディスプレイ広告は「潜在的なユーザーに強い広告媒体である」とよく言われています。
3.検索連動型広告との違いを知って、相乗効果を高めよう。
ディスプレイ広告とともによく併用されている広告に検索連動型広告(リスティング広告)があります。
冒頭で紹介した、GDNとYDNは、それぞれGoogleとYahoo!のサービスになりますが、検索エンジンであるGoogleとYahoo!ではリスティング広告のサービスも提供しています。
ですので、GoogleリスティングとGDN、Yahoo!リスティングとYDNはセットにされることが多く、併せて考えたほうが理解しやすいかと思いますので、ぜひ押さえておいてください。
以下では、ディスプレイ広告とリスティング広告の違いに焦点を当てていきたいと思います。
・ターゲット層の違い
ディスプレイ広告は潜在的なユーザーに強いとされていますが、リスティング広告ではユーザー自身が検索窓に入力した検索キーワードに基づいて広告配信をするため、顕在的なユーザーに強いとされています。
・配信量の違い
リスティング広告の場合はユーザーが検索をしてくれなければ広告を表示することができません。
一方でディスプレイ広告では、ユーザーが他のサイトを閲覧している際にも広告を表示させることができるため、ディスプレイ広告はリスティング広告に比べ広告の表示回数が多くなる傾向があります。その為、広告を多くの人に見てもらうために配信量を伸ばしたい、サイトへの流入を増やしたいという際はディスプレイ広告の方が効果的という場合があります。
※ただし配信対象のターゲットを絞り込みすぎるとまったく配信されないこともありますので注意が必要です。
・クリック率の違い
ディスプレイ広告では潜在的なユーザーへの配信が多くなるため、広告の表示回数とその広告が実際にクリックされユーザーがサイトを訪問する数を割合として見た場合、クリック率が低くなる傾向があります。
一方で、リスティング広告では、ユーザーが直接入力している検索キーワードに基づき広告配信をしているため、クリック率はディスプレイ広告と比べ高くなる傾向があります。
よくディスプレイ広告とリスティング広告をクリック率で比較して、
「ディスプレイ広告はクリック率が低いからよくないよね・・・」
といわれる広告主様もいますが、これは媒体の特性ですので、それを理解して上手く使っていくことが重要になります。
このような違いを理解したうえでディスプレイ広告とリスティング広告を併用しながら実施していくとマーケティング施策全体でウェブ広告を捉えられるようになりますので、この違いは是非とも押さえておきたいポイントです。
4.ディスプレイ広告でできるターゲティングメニュー
・リマーケティング:サイトを訪問したユーザーへの再アプローチ
先ほど、ディスプレイ広告は潜在層に強いと言いましたが、実は顕在層に特化したディスプレイ広告の配信メニューもあります。それはリマーケティング(YDNではリターゲティング)と呼ばれている手法で、広告主のウェブサイトを一度訪問したことのあるユーザーをターゲティングして広告を配信する手法になります。リマーケティングではURL単位でターゲティングリストを作成することが出来ます。
ECサイトなどのケースを例にすると、トップページのみ閲覧したユーザー、カートのページへ到達したユーザー、購入完了のサンクスページに到達したユーザーとそれぞれ切り分けてターゲティングすることも可能です。
・コンテンツターゲティング
ディスプレイ広告では広告の掲載先になるウェブページが、どういうコンテンツのものなのかを選んで広告配信することが出来ます。
指定のトピックのコンテンツを含むウェブページの広告枠に広告を掲載させることにより、ユーザーが閲覧しているコンテンツとそこに掲載されている広告の関連性が高まるため、ユーザーのアクションを促しやすくなります。
・掲載先のプレイスメントターゲティング
ディスプレイ広告では、広告が実際に掲載されたウェブサイトをレポートとして確認することが出来ます。
効果に結び付いている掲載先への配信を増やしたい場合に、入札単価を強めて配信するなどの調整が可能です。
効果の出そうなサイトのみをホワイトリストとして掲載先に指定して配信を絞り込むこともできます。逆に、効果に直結していないような掲載先は除外リストに登録して、配信を停止することで、無駄な配信を抑制し配信効果を高めることが出来ます。
・ユーザーの興味関心
ディスプレイ広告では、特定のジャンルに興味関心のあるユーザーをターゲティングして広告を配信することが出来ます。
これは、ユーザーが使用しているブラウザの閲覧履歴をもとに、ユーザーの興味関心を導き出してカテゴライズしています。
興味関心に設定できるカテゴリは媒体社側で設定しているものになりますので、実際にターゲティングできるのかどうかは広告代理店に確認してみるとよいでしょう。
他にもユーザーの性別・年齢などデモグラフィックデータや位置情報をもとにターゲティングすることも可能ですので、例えば、「東京都在住の40代男性」といったターゲットユーザーに絞り込んで配信をすることも出来ます。
またこれらのターゲティングは掛け合わせて設定することも可能です。
ただし、掛け合わせが細かくなりすぎると、配信対象のユーザーが少なくなりすぎるため、配信量が伸び悩んだり、広告のクリック単価が上がる可能性がありますので注意が必要です。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。ディスプレイ広告について理解できましたでしょうか。
インターネット広告の業界では栄枯盛衰が激しく、新しい媒体社や配信メニューが次々と生まれていますが、そこでできるターゲティング設定や配信手法などの基本的な部分を理解しておけば、その応用もイメージしやすくなるかと思います。
ディスプレイ広告の特徴を理解して、マーケティング施策にディスプレイ広告を活用してみてください。
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