バナークリエイティブの質でCPA(獲得単価)はどれだけ変わるのか?改善事例を交えて解説

「ターゲット設定は悪くないのに、CPAが下がらない…」
「毎月バナーを変えているけど、どれが正解かわからない…」
このようなご相談を、WEB広告代理店のリプレイスを検討されている広告主様からよくいただきます。
AIによる自動化が進んだ現在の広告運用において、ターゲット設定や入札調整の精度は年々均質化してきており、Meta広告やGoogle広告の機械学習は非常に高度であることからも設定内容そのもので差をつけるのは難しくなってきています。
そういった環境の中でも、CPAが安価な運用と高騰している運用が存在しています。それらは、どこで差が大きく開いているのか。
そのひとつに、クリエイティブ(バナー・動画)の質と運用設計が影響していると考えられます。
CPA改善の本質は、クリエイティブ戦略にあるとコンバージョンアドは考えています。本記事では、Meta広告のロジックを例にしながら、なぜ、バナーのクリエイティブ品質がCPAを左右するのか、そして成果を出し続けるために必要な考え方について解説していきます。
目次
とりあえず作ったバナーだと、高くつく?CTRとCPCの関係
まず、前提としてCPAとCPCの関係性について押さえておきましょう。
CPAは以下の式で分解することができます。
・CPA = CPC÷CVR
・CPC = CPM÷CTR
つまり、CTR(クリック率)が上がれば、CPC(クリック単価)は相対的に下がり、同じCVRでもCPAは改善する構造になっています。
Meta広告のオークションロジックを例に説明していきます。
Meta広告は基本的にCPM課金(1,000回表示するにあたっての単価)です。しかし実際のオークションでは、以下の3要素で広告が評価されていると言われています。
・入札額
・推定アクション率(=反応される確率)
・広告品質(エンゲージメント、ネガティブ評価など)
特に重要なのが、推定アクション率と品質ランキングです。
CTRが高い広告は、ユーザーにとって価値があると判断されやすく、オークション上で有利になります。結果として、同じ入札でもCPMが抑えられやすくなります。
反対に、CTRが低い広告に関しては、品質評価が下がり
・CPMが高騰してしまう
・配信量が伸びにくい
といった現象が起きやすくなります。
例えば、以下の2パターンを考えてみましょう。

CTRが3倍になるだけで、CPAは約3分の1になります。とりあえず作ったバナーとユーザーインサイトを捉えたバナーでは、同じ商品・同じLPでもCPAに数倍の差が出る可能性があるのです。入札調整やターゲティングの調整を行ってもCPAが改善しない状況であれば、バナークリエイティブの見直しを行うのがよいでしょう。
ユーザーの期待を裏切らない一貫性の重要性

CTRが高くなればCPAが改善することはわかりましたが、当然CVRも重要になってきます。CTRが高くても、CVRが低ければCPAの大きな改善は見込めません。
そこで重要になるのが、バナーとランディングページ(LP)の一貫性です。
例えば、
・バナーでは初回限定価格が強く訴求されているものの、LPでは通常価格が目立っている。
・バナーは「簡単・手軽さ」を強調しているものの、LPでは価格訴求が目立っている。
といった場合、バナーの情報を見て入ってきたユーザーの期待に対して適切な情報を与えることができていないため、このような導線は離脱要因になっています。
一般的にLPへ訪れたユーザーの60%程度はファーストビューで離脱することが多いといわれています。
つまり、最初の3秒で「思っていた内容と違うかもしれない」と感じさせないようにすることが非常に重要です。
そのため、ファーストビューでは
・バナーのメインコピーと同じキーワードを入れる
・同じビジュアルトーンを保つ
・ベネフィットを明確に再提示する
といった条件で、ユーザーの期待に対してしっかり応えられるようにしなければなりません。この一貫性がCVRのパフォーマンスを大きく左右します。
バナーの質をあげていくことはもちろんですが、より重要なのは、バナー単体ではなく、バナーからLPまでを一つのストーリーとして設計していくことです。
CPAが高止まりしているアカウントでは、バナーだけを改善している、LPだけを改善しているといったバナーとLPの改善が分断されているケースが多く見られます。
本来は、
・どの訴求軸が刺さっているのか
・どの訴求をLPで深掘るべきか(反対にLP内での反応をどうバナーに活用するか)
を連動して改善サイクルをまわしていくことが望ましいといえます。
成果を出し続ける「クリエイティブ運用サイクル」

次に押さえておくべきは、成果が出るいわゆる勝ちバナー・勝ちクリエイティブが見つかったとしても、それは永遠には続かないということです。
その理由は、クリエイティブに摩耗といった考え方があるためです。
クリエイティブの摩耗とは、同じユーザーに同じクリエイティブが繰り返し表示されることで、反応率が徐々に下がっていく現象を意味します。この摩耗が起こると、ユーザーの心理的な飽きだけでなく、Metaの広告品質評価にも影響を及ぼします。
例えばの悪化シナリオですが、
CTRが下がる
→広告品質評価が落ち、オークションで不利になりやすい
→CPMが上がる
→CPAが悪化する
といった悪循環に陥ってしまいます。
また、摩耗といった現象を対策するために、フリークエンシーといった指標、フリークエンシーに対する考え方を理解することも重要です。
フリークエンシーとは、一人当たりの平均表示回数を指します。つまり、このフリークエンシーという数値が高ければ高いほど、同じユーザーに対して広告が配信されているということになります。
広告には認知の役割もあり、覚えてもらうといったことを目的にするのであればフリークエンシーの数値が高いこと自体が悪いわけではありません。
しかし、何かしらのコンバージョン目標があり、その状態でフリークエンシーが高い(3~4を超えている)状態でCTRが落ち続けるといったような場合には摩耗が進んでいる可能性が高いです。
ここで重要となってくるのは、撤退ラインを事前に決めておくことです。
例えば、
・CTRが0.8%を下回ったら差し替え
・7日間連続でCPCが目標を超えたら停止
・フリークエンシー3.5以上でCTRが低下傾向なら差し替え
といったように、感覚ではなく数値で判断できるようなルールを定めておくことが安定して成果をあげていけるポイントといえます。
そして、成果をあげていくためにはこれまでの話を前提とし、継続したバナーの検証が重要になってきます。
バナークリエイティブに絶対的な正解はありません。
価格訴求が刺さる場合もあれば、安心感訴求が刺さる場合もあり、実績が刺さる場合もあれば、共感ストーリーが刺さる場合だってありえます。重要なのは、複数の訴求軸を意図的にテストすることです。
・ベネフィット訴求
・不安解消訴求
・実績訴求
・比較優位性訴求
・限定訴求
等、様々ある訴求をテストしユーザーのインサイトを掘り当てる。
そして、勝ちパターンが見つかったら横展開、動画化、カルーセル広告へ展開していく等で広げていき、成果を安定させていく。
これが、成果を出し続けるクリエイティブ運用サイクルです。
なぜ広告代理店によってCPAが変わるのか?
AIが自動最適化する時代において、広告代理店の差は設定内容ではなく、クリエイティブ戦略と検証設計力に出てくると考えられます。
・どれだけ仮説を持っているか
・どれだけ検証パターンを設計できるか
・バナーとLPを一気通貫で設計しているか
・摩耗を前提とした運用サイクルを回しているか
などがあげられるでしょう。
もし、現在の広告運用が、
・月1回なんとなくバナーを差し替えるだけ
・勝ちクリエイティブ、負けクリエイティブの基準が曖昧
・LPとの連動設計が行えていない
といった運用になっているのであれば、CPAが高止まりしていても不思議ではありません。
上記のような運用になっている場合は、できるところから一つずつ見直していきましょう。
クリエイティブ改善事例
ここからはコンバージョンアドの運用に切り替わり、バナークリエイティブの検証を通じてCPAが改善した案件のご紹介をしていきます。
CPA改善ケース1:美容サロン向け美容機器販売

課題:SNS広告(Meta広告)にてCVの安定獲得ができていない
解決策:配信対象ユーザーの変更と訴求軸の変更
結果:安定したCVの獲得、CPA改善(約70%)
コンバージョンアドがご支援させていただく前は、「売上をあげたいと考えているサロンオーナー」を想定し、機器導入による業績アップをメインの訴求軸としていたものの、思った以上の成果がでていなかったということもあり、「しっかりと施術で結果を出したいと考えている技術志向のサロンオーナー」を想定した訴求にクリエイティブを変更しました。これにより、安定したコンバージョンの獲得ができるようになり、かつCPAも約70%程度改善できました。
CPA改善ケース2:健康サプリ販売

課題:SNS広告(Meta広告)にてCPAの高止まりが起きていた
解決策:新規訴求軸の検証、これまでの訴求軸からの脱却
結果:CPA改善(約34%)
こちらの通販案件に関しては、コンバージョンアドでご支援させていただく前も一定の成果が出ていました。
しかし、よくある健康サプリ関連の訴求では他社と差別化ができず、一定の成果は出るもののそこから大きく成果が伸びない状況に陥っていました。
そこで、他社がまだ実現していないような新しい訴求軸の検証を開発し、実際に運用を実施しました。具体的には、よくある健康サプリ関連の訴求では初回特別価格訴求や第三者評価を用いた実績訴求、UGC風訴求等が王道と考えられますが、そういった訴求は極力排除し、ユーザーが持つ悩みや現状とのギャップ(ユーザーインサイト)に対して強く共感を得られるようなバナークリエイティブ、LPの構成に全面的に変更しました。
この改善が功を奏し、検証前の成果と比べCPAが約34%改善。コンバージョン数を増加させることができています。
また、副次的な効果として、共感を軸に商品購入にいたるため、平均継続期間も伸びLTVも改善傾向にある成果も確認できました。
CPA改善ケース3:高齢者向け介護保険

課題:ディスプレイ広告が未実施なため、初期構築
解決策:様々なクリエイティブ訴求の検証
結果:安定したCVの獲得、CPA改善(約50%)
こちらの案件に関しては、コンバージョンアドでご支援させていただく前はディスプレイ広告が未実施であったため、媒体選定からバナークリエイティブの検証といった初期構築の段階からご支援させていただきました。
プロモーション商材との親和性を重視した媒体選定、ターゲティング、バナークリエイティブの検証を通じ、安定したコンバージョンの獲得を実現することができ、かつ配信初期に比べCPAも約50%抑えられた状態で獲得が発生するようになりました。
ここで行ったバナークリエイティブの検証については、保険商材ということもありユーザーに対して訴求できる要素が多くあったため、価格訴求や機能訴求(一時金)、性別プラン訴求、第三者評価を用いた実績訴求、ベネフィット訴求等、様々な訴求軸を検証しユーザーの反応率が高い訴求を模索、成果に繋がる訴求が見つかった段階でバナークリエイティブの横展開、LPへ反映(ファーストビューやコンテンツ順等)し一貫性を高めるといったことを行ったことでコンバージョンの安定した獲得とCPAの改善を実現できました。
CPA改善の本質は「クリエイティブ戦略」
CPAを下げる方法はたくさんありますが、AI最適化が進んだ昨今において最もレバレッジが大きく働くのはクリエイティブの質と運用設計であるといえます。
・CTRを高め、構造的にCPCを下げる
・バナーとLPの一貫性でCVRを上げる
・摩耗を前提に、検証サイクルを回す
この3つが揃ったとき、CPAが大きく改善する可能性が高まります。
もし、今の運用で戦略的にクリエイティブ検証ができていないのではないかと感じられたのであれば、アカウントの構造診断をおすすめします。
コンバージョンアドでは、無料の広告・LP診断を行っています。
今の広告運用に少しでも違和感やお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
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